2020年のDotaプロサーキット初戦となる『WePlay! ブコバル・マイナー』の最終日の試合が行われ、ロワーブラケット決勝でニグマ・Eスポーツがギーク・ファムと対戦した。

 ニグマはロワーブラケット準決勝でギャンビット・Eスポーツとの生き残りをかけた一戦に2-1で勝利。一方、ギーク・ファムはアッパーブラケット決勝でロイヤル・ネバー・ギブアップ(RNG)に敗れてロワーブラケット決勝へまわっていた。

 シリーズは2つエキサイティングなゲームの末、ニグマがRNGとのリマッチの機会を手にすることとなった。


ゲーム1

 ニグマはゲーム1のドラフトフェーズでアメル・“Miracle-”・アルバルカウィがファントム・ランサー、イヴァン・“MinD_ControL”・イヴァノフがネクロフォスを選択した。

 一方、ギーク・ファムはマルコ・ポーロ・“Raven”・ファウストがスラーク、カール・“Karl”・ハイメはティンバーソー、カルロ・“kuku”・パラドがサンド・キングを選択し、アクティブなトライコアを形成した。

 ニグマはレーニングフェイズで好スタートを切ったが、対するギーク・ファムも5体のヒーローがマップ全域に広がると、次第にゲームの主導権を握り始める。

 RavenのスラークはMinD_ControLのネクロフォスをキルするなど、トップレーンで大活躍を披露。ニグマはアルティメットを使い惜しみして戦線を拡大しすぎた結果、ギーク・ファムに簡単にキルされてしまう。

 さらにギーク・ファムはRavenがイージス・オブ・イモータルを手にし、チームファイトで大きな勝利を手にした。引き続きニグマがアルティメットを出しそびれるなか、ケニー・“Xepher”・デオのルービックは、ネクロフォスのアルティメット「リーパーズ・サイス」をスティールし、w33を屠って見せた。

 リードを1万ゴールドに広げたギーク・ファムは、ラディアントベースに攻め込むが、Miracleのファントム・ランサーにKarlのティンバーソーのマナを吸収された結果、撤退することを決断した。

 ニグマは撤退するギーク・ファムを相手にチームファイトを仕掛け、これがゲームの行方を大きく決定づけることになる。

 ここに来てニグマの終盤戦重視の戦略が功を奏し、アイテムとオーラで圧倒した結果、ギーク・ファムをギブアップへと追い込んだ。



ゲーム2

 続くゲーム2、ギーク・ファムはミッドレーンにリナ、オフレーンにドゥーム・ブリンガー、ハードキャリーにライフスティーラーを選択した。さらにサポートにルービック、そして最後にキーパー・オブ・ザ・ライトを選択してドラフトを締めくくった。

 一方のニグマはMiracleが大会を通して無敗を誇るエンバー・スピリットを選択。さらにマロウン・“GH” ・メルヘジはアースシェイカーを選択し、w33はウィンド・レンジャーを選択した。

 ギーク・ファムは再びレーニングフェイズでペースを握り、Ravenのライフスティーラーが大した抵抗も受けずにファームに成功する。

 一方のニグマは、Miracleが孤立するギャンビットのヒーローを撃破した。その直後、トップレーンで両チームが顔を合わせると、MinD_ControLのアバドンが囮になってギーク・ファムのヒーローたちを誘い出すことに成功。これは試合の行方を左右するビッグプレーとなり、GHがエコー・スラムを炸裂させてギーク・ファムのヒーロー4人をキルしてみせた。

 ニグマはギーク・ファムのヒーローにマップ全域でプレッシャーをかけ続け、相手から完全に自由を奪って、リードをどんどん広げていった。

 Miracleのエンバー・スピリットはギーク・ファムのバックラインの裏を突いて相手のサポートをけん制し、チームファイトでの活躍を許さなかった。

 反撃したいギーク・ファムは自軍のジャングルでファイトをしかけ、Ravenがw33のドロー・レンジャーを撃破することに成功する。

 そのあと、ミッドレーンで再びチームファイトがあり、今度はニグマが優位に立ったが、Ravenのライフスティーラーが孤軍奮闘をみせ、両チームを通して最大の戦果を上げた。

 しかし、それだけでは試合の流れを逆転するのに十分ではなかった。

 ニグマは目標を陥落させ続け、メガクリープのアドバンテージも手にする。ギーク・ファムのヒーローたちも応戦するが、ニグマは相手のヒーローには目もくれず、ひたすらラディアント・エンチャントに狙いを定め、そのままゲーム2をものにした。

 この結果、ニグマは『We Play!ブコバル・マイナー』のグランドファイナルズ進出が決まり、5試合制のシリーズでロイヤル・ネバー・ギブアップ(RNG)と対戦することになった。勝者は『ドリームリーグ・シーズン13:ライプチヒ・メジャー』への出場権を手にする。

 一方、ギーク・ファムは敗れこそしたものの、大会前の予想をいい意味で裏切って3位でフィニッシュ。賞金5万4000ドルと110DPCポイントを手にした。

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