2020年のDotaプロサーキット初戦となる『WePlay! ブコバル・マイナー』の最終日の試合が行われ、グランドファイナルズでは今大会で最高の2チームが激突。中国の強豪ロイヤル・ネバー・ギブアップ(RNG)と、『ザ・インターナショナル2019』で準優勝に輝いたニグマ・Eスポーツが雌雄を決した。

 グランドファイナルズはアッパーブラケット準決勝のリマッチだった。準決勝では激闘の末、RNGがニグマに2-1で勝利していた。

 迎えたグランドファイナルズでは、ニグマが最初の試合こそ落としたものの、そのあと3連勝して3-1で勝利。今季のDPCで初めてのタイトルを手にした。

 この結果、ニグマは賞金7万2000ドルと140DPCポイントを手にした。また、間もなく開幕する『ドリームリーグ・シーズン13:ライプチヒ・メジャー』への出場権を手にした。


ゲーム1

 ドラフトフェーズでクロ・“KuroKy”・タクハソミがアバドン、イヴァン・“MinD_ControL”・イヴァノフがオムニナイトを選択した。

 さらにマロウン・“GH” ・メルヘジがルービック、アリウィ・“w33”・オマルがハスカー、アメル・“Miracle-”・アルバルカウィがアルケミストを選択した。

 一方のRNGはシュウ・“September”・ズィチュアンがトレアント・プロテクター、ス・‘Flywin”・レイがケンタウロス・ウォーランナー、ガオ・“Setsu”・ツェンションがアウトワールド・デヴォウアー、ドゥ・“Monet”・ペンがドロー・レンジャーを選択した。

 ニグマは序盤で主導権を握り、オムニナイトとアバドンがw33のハスカーをサポートして、キルを許さなかった。RNGのヒーロー3人を相手にしたときにも、w33は瀕死の状態ながら逃げおおせてみせた。

 しかしミッドゲームに差し掛かるとRNGのチームシナジーが機能しはじめ、その後のチームファイトをすべて制してみせる。

 MonetはMiracle-とw33をキルし、さらにSetsuがニグマの残りのヒーローたちに大ダメージを与えた。

 チームファイトが行われるたびにRNGはリードを広げ続け、最終的にはがら空きになったラディアント・ベースを陥落させ、ニグマから降参を引き出した。


ゲーム2

 ゲーム2に向けて、ニグマはMiracleがファントム・ランサー、w33がウィンド・レンジャー、GHがアースシェイカーと、オーソドックスなヒーローを選択。

 一方のRNGはSeptemberがドゥーム・ブリンガー、Flywinがアンダーロード、Monetがライフスティーラーと、変化に富んだラインアップを選択する。

 ニグマはミドルレーンでw33がSetsuを圧倒し、このゲームでも好スタートを切った。しかし体力十分のRNGのヒーローたちにダメージを与えることができず、撤退を強いられてしまう。

 ニグマはバラックを狙いにいくが、RNGは防衛に徹し、撤退する相手に追い打ちをかけた。

 そのあとニグマはイージス・オブ・イモータルを狙いにいくが、RNGがロシャン・ピットでその狙いを阻んでみせる。これにより、ニグマはヒーロー2人をキルされてしまい、バイバックを使うことを強いられた。

 その直後、RNGはトップレーンのバラックを陥落させ、ニグマを泉まで撤退させた。この頃までに、RNGはリードを2万7000ゴールドに広げていた。

 しかしニグマはこのあとRNGのFlywinとSetsuをキルしてバイアックさせ、ビハインドを1万2000ゴールドまで縮めて反撃の狼煙を上げる。

 さらにMiracleがディヴァイン・レイピアーを手に入れ、RNGのヒーローに対して大ダメージを与えることに成功する。

 60分までにイージス・オブ・イモータル、チーズ、アガニムス・ブレッシングを手にしていたニグマは、徐々に試合の流れを引き寄せ、ラディアントの建造物を陥落させていく。

 RNGも応戦したが、GHがエコー・スラムを2度にわたって繰り出し、RNGを寄せ付けない。

 ニグマはそのままエンチャントを手にし、ゲーム2をものにした。



ゲーム3

 RNGはヴェンジェフル・スピリット、ドロー・レンジャー、ストーム・スピリットを選び、連携に優れたラインアップを形成。さらに前線にはレギオン・コマンダーを選び、チームファイト用にはディスラプターを選択した。

 一方のニグマは再びファントム・ランサーを選び、w33はテンプラー・アサシンを選択した。サポートにはウィンター・ワイバーンとエルダー・タイタンを起用した。

 トップレーンにいたGHのエルダー・タイタンと、ミドルレーンのw33は素晴らしい滑り出しをみせた。GHはエルダー・タイタンのアビリティ「アストラル・スピリット」を使って、素早くダブルキルを達成した。ミドルレーンではw33がSetsuのストーム・スピリットを圧倒した。

 試合を通してニグマはRNGを相手にキルの数でリードし続けた。ニグマが22分までに最初のバラックを陥落させると、RNGはもはや反撃の余地は残されていないと判断し、すぐに降参を決断した。


ゲーム4

 RNGにファントム・ランサーを選択禁止にされたニグマは、Miracleがドロー・レンジャー、w33がアウトワールド・デヴォウアーを選択した。さらにGHはアースシェイカー、Kurokyはアバドンを選択した。さらにMinD_ControLがダーク・シーアを選択してドラフトフェーズを締めくくった。

 一方のRNGはSetsuがクイーン・オブ・ペイン、Septemberがドゥームを選択。さらにドゥーム・ブリンガー、チェン、スペクターを選択する。

 レーニングフェイズは両者ともに互角の立ち上がりをみせたが、RNGはw33に集中攻撃を加えてニグマの陣形を乱すと、16分までにリードを奪った。

 一方のニグマはアルティメットを同時に繰り出してRNGのヒーローをキルし、相手陣内にプレッシャーをかけ始める。しかし、ここでは撤退を余儀なくされてしまう。

 ニグマはなんとか攻撃の糸口をつかもうとするが、チームファイトでRNGをなかなか上回ることができない。

 RNGはトップレーンで2つ目のバラックを陥落させると、この時点で4万ゴールドをリードした。

 しかしニグマも負けじと反撃し、MinD_ControLがバキューム・ウォール・コンボを繰り出してRNGの5人のヒーローをとらえると、GHがすぐさま「エコー・スラム」でフォローし、相手をまとめて一掃してみせた。Monetはイージスで復活しながらも、2度にわたってキルされてしまった。

 勢いづいたニグマはアドバンテージを活かしてミドルレーンを攻めあがると、ラディアント・ベースに攻め込んで、ターゲットを次々と陥落させた。

 RNGはグリフとガーディアン・エンジェルを使ってエンチャントを守りながらなんとか持ちこたえるが、Miracleのドロー・レンジャーを止めることができず、結局最後は逆転負け。ニグマは驚異的な追い上げで大会を制することになった。

 2位に終わったRNGは賞金6万ドルと120DPCポイントの獲得にとどまった。

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