2010年代の『ストリートファイター』の競技シーンは、格闘ゲーム史上最もハイレベルなものとなった。
2010年代は『ストリートファイターIV』とともに幕を開け、『ストリートファイターV:アーケードエディション』とともに幕を閉じた。
『ストリートファイターV:チャンピオンエディション』の発売が2月14日に迫るなか、本日は過去10年間のベストマッチ10選をお届けする。
梅原大吾 vs ジャスティン・ウォン:カプコン・ファイトクラブ・エジギビション (2010)
『スーパーストリートファイターIV』のリリースを記念して、カプコンは5試合制のエギジビションマッチを用意した。梅原大吾 vs ジャスティン・ウォンのレジェンドマッチだ。
試合の体裁はあくまでエギジビションだったが、開始から両者ともにガチンコモードなのは明らかだった。
シリーズは両者譲らず2-2のままゲーム5にもつれ込んだ。最後の奇跡のような展開は、是非とも君自身の目で確かめて欲しい。
Infiltration vs PR Balrog:Evoルーザーズ決勝 (2013)
EVO 2013には世界中から才能溢れるプレイヤーが集結した。なかでもこのイ・“Infiltration”・スンウとエドゥアルド・“PR Balrog”・ぺレスの一戦は、歴史に残る一戦となった。
Infiltrationは最初のゲームをものにしたが、そのあとPR Balrogは4ラウンドを連取して、シリーズ突破へあと1ゲームと迫った。
崖っぷちに追い込まれたInfiltrationだったが、ここで驚きの采配をみせる。多くのプレイヤーが最低ランクのファイターに分類する、ハカンにスイッチしたからだ。
これが功を奏し、Infiltrationは次の2ゲームを連取。奇跡のような逆転劇でルーザーズ決勝へ駒を進めた。
ぺぺだい vs Poongko:カナダカップ グランドファイナルズ (2014)
カナダカップ2014の『アルティメットストリートファイターIV』グランドファイナルズで、当時最もテクニカルかつ攻撃的な選手だったイ・“Pepeday”・チュンゴンとぺぺだいが、トップレベルの試合で雌雄を決した。
両者ともに自身の代名詞となっているキャラクターを選択し、Poongkoがセス、ぺぺだいがエル・フォルテを選択した。
序盤はPoongkoが圧倒し、3-0のスイープでブラケットをリセットした。
勢いに乗るPoongkoは第2セットでも圧勝し、2-0とリードする。5ゲームを連取したPoongkoは勝利が濃厚となったが、ぺぺだいもこのまま引き下がるつもりはなかった。
背水の陣となったぺぺだいは、このあとストリートファイター史上に残る戦いを披露し、素晴らしい読み、見事なカムバック、そしてスーパープレーの数々を披露した。
Snake Eyez vs Xian:Evo トップ32 (2014)
ダリル・“Snake Eyez”・ルイスとクン・“Xian”・ホはEVO 2014における対戦で、達人級のディフェンス技術、スペース支配術、ニュートラル・ゲーム、ライフ・マネージメントを披露した。
試合は最終ラウンドまでもつれ込み、ライフリード・アドバンテージを握ったXianは時間切れを狙っていた。ここでXianはウルトラで勝負をかけるが、Snake EyezはExグリーンハンドを繰り出して逆転勝利を収めた。
ふ~ど vs ときど:カナダカップ グランドファイナルズ (2015)
“ふ~ど”、“ときど”の日本人の英雄2人は、カナダカップの『ウルトラストリートファイターIV』グランドファイナルズで、史上屈指の名勝負を繰り広げた。
トーナメントの行方は、第2セットの最終ラウンドまでもつれ込んだ。ときどは序盤からリードを奪うが、昇竜拳をミスすると流れは一変、ふ~どが反撃を開始する。それでもときどはシンプルな波動拳を当て、堅実に試合を締めくくった。
梅原大吾 vs Infiltration:カプコンカップ ウィナーズ準々決勝 (2015)
カプコンカップ2015は最終的に“かずのこ”の優勝に終わるが、梅原大吾とイ・“Infiltration”・スンウの間で行われた準々決勝は、歴史に残る一戦となった。
梅原が2-1でリードするなか、猛反撃を開始したInfiltrationは、勝利まであと一歩というところまで迫る。ここで瀕死状態に陥った梅原は、ライフ残りわずかの状況から切り抜けてみせた。
Infiltration vs ふ~ど:Evo グランドファイナルズ (2016)
2016年に『ストリートファイターV』が発売されると、ゲームの盛り上がりはEvo 2016で頂点を迎え、大会には5106人のファイターがエントリーした。
最後はストリートファイター界最高のベテラン選手である、“ふ~ど”とイ・“Infiltration”・スンウが顔を合わせた。
序盤ペースを握ったのはInfiltrationで、ゲーム2でダブルパーフェクトを披露すると、第1セットを制してブラケットをリセット。さらに第2セットでは5ラウンドを連取し、2-0とリードを奪う。
しかしここからふ~どが意地の猛反撃を開始し、3ラウンドを連取。それでもInfiltrationはストリートファイターに対する深い洞察を披露し、ふ~どの“ガード不能”のコンボを“ガード”してみせ、トーナメント制覇を成し遂げた。
MenaRD vs ときど:カプコンカップ グランドファイナルズ (2017)
カプコンカップ2017のグランドファイナルズはまさにダビデとゴリアテの戦いとなった。小国ドミニカのMenaRDと、日本のストリートファイターの神“ときど”が対戦したからだ。
ときどは2ゲームを連取し、試合の主導権を握る。
しかしMenaRDはすぐさま立て直し、3ゲームを連取してブラケットをリセットする。
ときどは第2セットの最初のゲームをものにしたが、MenaRDは次の3ゲームを連取して優勝を遂げた。
ガチくん vs 板橋ザンギエフ:カプコンカップ グランドファイナルズ(2018)
カプコンカップ2018のグランドファイナルズで顔を合わせたのは、ファンお気に入りの2人、“ガチくん”と“板橋ザンギエフ”だった。
好スタートを切ったのは板橋で、最初のセットを3-0で制してブラケットをリセットした。
しかし小休止のあと調子を取り戻したガチくんは、次のセットの最初の2ゲームをものにした。板橋はすぐさま反撃して2-2に戻すが、ガチくんは最後の2ラウンドを制して優勝をさらった。
iDom vs Punk:カプコンカップ グランドファイナルズ (2019)
過去最高のジャイアントキリングは、先月行われたカプコンカップ2019グランドファイナルズで起こった。アマチュアのデレク・“iDom”・ルフィンが、世界ランク1位のビクトル・“Punk”・ウッドリーを破ったのだ。
Punkは2-0とリードを奪って貫禄をみせつけるが、iDomが次の3ゲームを連取し、ブラケットをリセットしてみせる。
勢いに乗るiDomは第2セットの最初の2ゲームを連取して王手をかけるが、Punkもゲーム3を制して意地をみせる。するとiDomは得意のローラから、二線級のファイターとみなされているポイズンにスイッチするという驚きの選択に出る。
このサプライズ采配が功を奏し、iDomは次のゲームを制すると、スポンサーのいない選手としては史上初めてカプコンカップの王者に輝いた。
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