Valveが来季からの『Dotaプロサーキット』に地域リーグを導入すると発表し、Dota2の世界に激震をもたらしている。

 この変革に対しては、Dota2界屈指の重鎮たちがいずれも批判的な反応を示している。チーム・シークレットのコーチ、リー・“Heen”・ソンゴンはDota界屈指の頭脳として知られるが、リーグ戦導入に対して否定的な見解を示した。

 Heenはメジャーの予選の代わりにリーグ戦が行われることになったため、選手たちの拘束期間が長くなるにも関わらず、与えられる賞金額やDPCポイントが十分でないことに不満を示した。

 現行のシーズンではDPCメジャーの予選は本大会の1カ月前に行われ、長くても4日間ほどで終了する。しかし来季はリーグ戦が導入されることによって、各チームはメジャーの出場権を獲得するためには、6週間のリーグ戦を戦い抜く必要がある。

 Heenはさらに「これではまるで幼稚園だ。いっそ参加全チームに仲良く賞金を分配した方がいいんじゃないか?」と皮肉めいたコメントを残している。

 Heenは2015年以来、Valveの賞金額の設定に対して苦言を呈し続けており、メジャーの優勝賞金が100万ドルから20万ドルに減額されたことを批判していた。

 フナティックのコーチ、リー・“SunBhie”・ジョンジャエもこれに同意を示し、Valveが賞金額の傾斜配分を、年々なだらかにしていることを批判した。また、試合が増えるにも関わらず、賞金総額が増えないことにも不満を示している。



 Valveの狙いは二番手や三番手グループにチャンスを与えることだが、Heenは新方式で割を食うのは、トップレベルのチームが集まる地域だと指摘している。

 「各地域のレベルは拮抗しているだろうか? 答えはノーだ」とコメントし、地域ごとに評価方法は変えるべきだとしている。

 その言い分はもっともだ。ヨーロッパには一線級のDota2チームが集結しており、そこを勝ち抜くためにはトップレベルの選手を集めなくてはならず、発展途上の地域と比べれば、かかるコストは莫大だ。

 一方、ニンジャス・イン・パジャマスのピーター・“ppd”・ダガーは、当初変革を歓迎していた。「一致団結して、個人の目標よりも大きななにかを成し遂げてみようと思わないのか?」と前向きなコメントを残していた。

 しかし、メジャーのトップ8に残ったチームに与えられる賞金額を知ると、急激に態度を硬化させた。「メジャーに出場するクラスのチームは、参加するだけで一定の額を手にするべきだ。大会に費やしている「時間」に対して対価が支払われるべきだよ」とコメントしている。

 なお、ppdはValveが新方式について早いタイミングで発表した点は評価している。まだ来季まで時間があるため、意見を吸い上げて一部方式に変更が加えられる可能性があるからだ。

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