『ONE Eスポーツ Dota2 ワールドプロ・インビテーショナル』は大会第5日の試合が行われ、Vici GamingはTeam Secretとの大会屈指の激闘を制した。

 両チームは互いに譲らず、シリーズの行方はゲーム3に委ねられることになったが、ここでVici Gamingは今大会最速で勝利を手にし、ロワーブラケット準決勝への進出を決めた。


ゲーム1

 Secretはゲーム1に向けて、ラッセ・“Matumbaman”・ウルパライネンがAnti-Mageを選択。ミッドレーンのミハル・“Nisha”・ヤンコウスキはViperを、そしてルドウィグ・“zai”・ワールベリがEarthshakerを選択した。

 一方のVGはシャン・“Eurus”・チェンジュンがRazor、ミッドレーンのゼン・ “Ori” ・ジャオヤンがPick、ゾウ・“Yang” ・ハイヤンがTimbersawを選択する、ミッドゲーム重視の編成となった。

 VGは序盤にSecretのMatumbamanのキルに成功するが、結果的にMatumbamanはSecretが15分前までにマークした10のキルのうち、5つを達成。おまけにそのほとんどがVGのコアヒーローに対するものだった。

 Secretはこのあとも効果的にキルを重ね、序盤戦でRoshanピットを落としにかかる。

 ここでようやくVGが目を覚まし、Eurusがトリプルキルを達成してSecretをRoshanピットから撃退。さらにAegisをものにする。

 Secretもこのあといくつかキルを達成するが、チームファイトではVGが俄然優位に立った。

 VGは33分に行われたDireジャングルでのチームファイトをものにし、流れを決定的なものとした。

 Secretはなんとか反撃を試みるが、VGのヒーローたちはすでに手に余る強さになっており、48分にはMatumbamanがDivine Rapierを手にするも、VGの勢いは止まらず、そのまま中国の雄がゲーム1をものにした。




ゲーム2

 シリーズをタイに戻したいSecretは、ゲーム2に向けてNishaがWindranger、MatumbamanがMorphling、zaiがTimbersawを選択し、超攻撃的なコアを形成する。

 一方のVGはEurusがTroll Warlord、OriがVioer、そしてチームファイトで彼らの盾となるべくYangはOmniknightを選択した。

 Secretが中盤戦を見据えてMorphilingにファームに専念させる守備重視の戦いをしたため、レーニングフェイズはVGがわずかにリードを奪って終了する。

 VGはマップ全域を支配し、Roshanを狙いに行くが、ここでSecretが割って入り、VGのヒーローを一掃して、MatumbamanがAegisを手にする。

 Secretはアドバンテージを活かしてトップレーンからVGのベースに迫るが、VGはAegisを奪い、Matumbamanを相手にこの日2度目のキルを達成する。

 それでもSecretの勢いは止まらず、DireジャングルでのファイトでEurusをキルし、VGをベースに撤退させることに成功する。

 このあと、SecretはRadiantジャングルで再びEurusをキルしてみせる。ここでVGはEurusを復活させて即反撃に出るが、すぐさま返り討ちに遭ってしまい、この悪手によってVGは降参へと追い込まれてしまった。


ゲーム3

 Secretは雌雄を決するゲーム3に向けて、Matumbamanが再びMorphilingを選択。一方、パートナーのNishaはShadow Fiendを選択し、セオリー外のコンビを形成した。このデコボココンビを補強する狙いがあってか、zaiはCentaur Warrunnerを選択する。

 対戦相手のVGはEurusがSlark、OriがPuck、オフレーンのYangがDoomを選択。彼らの代名詞ともなっている破壊力と機動力を兼ね備える布陣を選択し、シリーズを締めくくりにかかる。

 レーニングフェイズではSecretの布陣の脆弱性がさっそく露わとなった。ただでさえMorphilingの選択はレーニングフェイズでの不利を意味していたが、それに引っ張られてShadow Fiendも効果的な働きができない。これを尻目に、VGは悠々とキルを重ねていった。

 SecretはMatumbamanをファームに専念させるべく、彼にスペースを与えようとするが、これによりかえってNishaが孤立し、何度もキルされてしまう。

 血の匂いを嗅ぎつけたVGは、このチャンスに乗じて一気呵成に攻め立て、18分にSecretから降参を引き出すことに成功。今大会で最速の勝利となった。


 この勝利によって、VGはロワーブラケット準決勝に進出し、Allianceと対戦することが決まった。これに勝利すれば、翌日にGambit Esportsが待ち受けるロワーブラケット決勝へと進出する。

 一方、優勝候補に挙げられていたSecretは6位で大会を終えることが決まり、賞金2万ドルを持ち帰ることになった。

READ MORE: 【Dota2/ONE WPI】SecretとAllianceのオフィシャルグッズを販売中!