『ONE Eスポーツ Dota2 ワールドプロ・インビテーショナル』への出場チームを特集する「インビテーショナルへの道」。このシリーズでは出場チームのメンバーや、『Dotaプロサーキット』や『ザ・インターナショナル2019(TI9)』での戦いぶりを分析し、12月20日から22日にかけてシンガポールで開催される大会を展望する。


2018-2019シーズン

 Virtus.pro (VP) は2018-19シーズンの『Dotaプロサーキット』では『クアラルンプール・メジャー』を制したほか、『重慶メジャー』、『ストックホルム・メジャー』、『EPICENTERメジャー』でも表彰台に立つなど素晴らしいパフォーマンスをみせた。しかし『ザ・インビテーショナル2019』は失意の結果となってしまった。

 グループステージでは序盤のスロースタートを挽回し、メインイベントは勝者ラウンドからの参戦となったが、PSG.LTDに敗れ初戦で敗者ラウンドに回ってしまう。

 さらに敗者ラウンドでもRoyal Never Give Upに敗れ、最終的には9-12位でフィニッシュ。これまでのTIで最悪の結果に終わってしまった。

 過去3シーズン、DPC屈指の強豪だったがVPだが、結局TIを制することはできず、ジンクスを打ち破ることができなかった。大会後のチームシャッフルが狙いとするのは、悲願の初優勝にほかならない。



ラインアップ

 玉突き移籍が始まったのは、TI9の10日後のことだった。まずはオフレイナーのパベル・“9pasha”・クバステゥノフが地元のライバルNatus Vincereへ移籍し、さらにスター・キャリープレイヤーのロマン・“Ramzes666”・クシュネアが北アメリカのEvil Geniusesに移籍してしまう。

 VPは残留組のウラジミール・“no[o]ne”・ミネンコとアレクセイ・“Solo”・ベレツィンを中心にチームの再構築を進め、ポジション4のウラジミール・“RodjER”・ニコゴシャンがベンチ降格となるなか、9pashaの代役にロマン・“Resolut1on”・フォミノクを獲得した。

 また、将来を見据えてイゴール・“epileptick1d”・グリゴレンコとウィタリエ・“Save-”・メルニクを獲得。それぞれポジション1と4を任せるとみられている。

  • (1) イゴール・“epileptick1d”・グリゴレンコ
  • (2) ウラジミール・“no[o]ne”・ミネンコ
  • (3) ロマン・“Resolut1on”・フォミノク
  • (4) ウィタリエ・“Save-”・メルニク
  • (5) アレクセイ・“Solo”・べレツィン

 no[o]neやResolut1onといったチームの屋台骨を支えるベテランを揃えるなか、チームの浮沈はepileptick1dのような若手選手にかかっていといえるだろう。epileptick1dはヨーロッパ屈指のキャリープレイヤーとして知られているが、トップチームを相手にどれだけ通用するかは未知数で、その活躍にチームの成績は大きく左右されるだろう。

 『Dotaサミット11マイナー』への出場を決めていたVPだったが、新チームを熟成させるために大会を欠場。『ONE Eスポーツ Dota2 ワールドプロ・インビテーショナル』はその実力を示す絶好の機会となる。

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