SEAゲームズ2019の開催国フィリピンはEスポーツ競技を席捲し、6つの競技で3つの金メダルを獲得した。

 フィリピンは『モバイル・レジェンズ:Bang Bang(MLBB)』、『Dota2』、『スタークラフト2』で金メダルを獲得。また、鉄拳7では銀メダルと銅メダルを獲得している。

 タイがそれに続き、『伝説対決 -Arena of Valor-(AOV)』と『鉄拳7』で金メダルを獲得し、『Dota2』と『ハースストーン』で銀メダルを獲得している。

 『ハースストーン』で優勝したのはマレーシア代表で、『モバイル・レジェンズ:Bang Bang』でも銅メダルを獲得した。

 インドネシアは『モバイル・レジェンズ:Bang Bang(MLBB)』と『伝説対決 -Arena of Valor-(AOV)』の二つの競技で銀メダルを獲得した。

 シンガポールは『スタークラフト2』で銀メダルを、さらに『ハースストーン』で銅メダルを獲得した。

 ベトナムは『Dota2』、『伝説対決 -Arena of Valor-(AOV)』、『スタークラフト2』で銅メダルを獲得している。



Dota2:フィリピンが3-2の接戦でタイを下す

 フィリピンとタイはそれぞれグループステージをトップで通過。フィリピンがアッパーブラケットでベトナムを退けてあっさりとグランドファイナルへの進出を果たした一方、タイはロワーブラケットでの戦いを強いられ、ラオスとベトナムを下して勝ち上がった。

 グランドファイナルはすべての試合が激闘となり、双方とも星を奪い合い、金メダルの行方はゲーム5に委ねられることになった。迎えた最終戦、タイは序盤にペースを握るが、フィリピンはなんとか持ちこたえると、素晴らしいカムバックをみせて初戴冠を果たした。


MLBB:フィリピンがインドネシアに3-2で勝利

 MLBBのグループステージはマレーシアとインドネシアがそれぞれのグループで首位に立ち、グランドファイナルへの最初の切符をかけ、アッパーブラケット決勝で対戦することになった。一方、ベトナムとフィリピンはそれぞれのグループで2位にとどまったため、ロワーブラケットを勝ち抜く必要があった。

 インドネシアはマレーシアを一方的な展開で下し、グランドファイナルへの進出を果たした。この結果、敗れたマレーシアはロワーブラケット決勝で、ベトナムを下したフィリピンと対戦することになった。試合は勢いに乗るフィリピンがマレーシアを2-0で下し、金メダルをかけてインドネシアと対戦することになった。

 迎えたグランドファイナルはフィリピンがまずゲーム1を制するも、その後インドネシアが連勝し、シリーズを2-1でリードする。しかしここからフィリピンがホームの力をみせ、ゲーム4でシリーズをタイに戻すと、最終戦でも勝利して母国に2つ目のメダルをもたらした。

 

AOV:タイがインドネシアを3-0でスイープ!

 AOVのグループステージではベトナムがグループAを首位で突破し、タイが2位に入った。一方のグループBは接戦となり、インドネシア、マレーシア、ラオスが成績で並び、タイブレイクの末にインドネシアとマレーシアが突破を決めた。

 インドネシアはタイを2-1で下してグランドファイナル進出を決め、敗れたタイはロワーブラケット1回戦でマレーシアを破ったベトナムと対戦した。タイは勢いに乗る相手をあっさりと退け、グランドファイナルでインドネシアに雪辱する機会を得た。

 グランドファイナルではタイがインドネシアを相手にアッパーブラケット決勝の借りを返す形となり、3-0とスイープして金メダルを獲得した。

 

鉄拳7:タイの“Book”がフィリピンの“AK”に3-2で勝利!

 グループステージはタイとフィリピンがそれぞれのグループでトップに立った。タイのメンバーはノパラット・“Book”・ヘンパモルンとラチャウィン・“Shin Akuma”・タナスーントルングーンで、フィリピンのメンバーはアレクサンドレ・“AK”・ラヴェレスとアンドレイ・“Doujin”・アルバルだった。

 アッパーブラケット最初の試合ではBookがAKを圧倒し、DoujinがShin Akumaを完封した。そしてアッパーブラケット決勝ではBookがDoujinを3-1と寄せ付けず、グランドファイナルへの一つ目の切符を確保する。

 一方、ロワーブラケットに回ったAKはここで大立ち回りを演じ、マレーシアのザリフ・“ZABA”・アイマン、Shin Akuma、そして同胞のDoujinを下し、Bookと金メダルをかけて再戦するチャンスを掴んだ。

 AKは金メダル決定戦のゲーム1を制して好調なスタートを切るが、その勢いはすぐさま削がれ、Bookに1-2と逆転を許してしまう。ホーム・フィリピンの代表として意地をみせたいAKは、ゲーム4を制し勝負を最終ゲームに持ち込むが、ここでBookがアウェイの空気もなんのそのといった冷静なパフォーマンスをみせ、タイに金メダルを持ち帰ることに成功した。


スタークラフト2:EnDerrが開催国フィリピンに金メダルをもたらす

 フィリピンのEnDerrとベトナムのMeoMaikaがそれぞれのグループでトップに立ち、プレーオフのウィナーズマッチで対戦。ここではEnderrが3-2と勝利し、まずはグランドファイナル進出を決定させた。

 敗れたMeoMaikaはロワーブラケットに回り、ここでフィリピン、マレーシア、そして同胞のシンガポール代表の選手を下して勝ち上がってきた、Bliskと対戦。MeoMaikaは相手の勢いに飲まれてしまい、1-3で敗れてグランドファイナル進出はならなかった。

 金メダル決定戦はEnderrとBliskの対戦となった。Enderrは旋風を巻き起こして勝ち上がってきたBliskへの対策を十分に講じており、4戦先勝のシリーズでまずは最初の2試合を奪取。このあとBliskはなんとか一矢を報いるが、ゲーム4で敗れ、金メダルはフィリピンに渡ることとなった。


ハースストーン:マレーシアの“助教授”が母国に唯一の金メダルをもたらす

 電気工学で博士号をもつという異色の経歴を誇るイゥ・“Wkyew”・ウェンケンが、今大会で最も興味深い物語の主役となった。この29歳の助教授は、並み居る若手有望選手たちを抑え、ハースストーンの王者に輝くという番狂わせを演じてみせた。

 Wkyewはグループステージで好パフォーマンスをみせ、プレーオフはアッパーブラケットからの出場となったが、そのオープニングマッチでシンガポールのチュウ・“Khaius”・カイ・キアットに敗れ、ロワーブラケットへと落とされてしまう。

 しかしこのマレーシアのインテリ選手はロワーブラケットでタイ、ベトナムの代表選手を破ると、決勝でChewへのリベンジに成功。金メダルをかけてタイのウェリット・“Disdai”・ポパンと対戦することになった。

 勢いに乗るWkyewはそのままグランドファイナルでDisdaiを3-1で下し、母国マレーシア位にEスポーツ競技唯一の金メダルをもたらした。


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