2019-20シーズンの『Dotaプロサーキット(DPC)』のメジャー第2戦、『ドリームリーグ・シーズン13:ライプチヒ・メジャー』が18日に開幕する。
大会について知っておくべきことをおさらいしよう。
2020年最初のDotaメジャー
『ライプチヒ・メジャー』は2019-20シーズンの『Dotaプロサーキット(DPC)』のメジャー第2戦に当たり、ドリームリーグにとっては2017年の発足以来、5度目のDPCイベント開催であり、メジャーの開催は2度目となる。
グループステージは1月18日から19日にかけて開催。そのあと1日の休みが入り、メインイベントは1月21日から26日にかけて開催される。
最後の3日間はライプチヒャー・メッセで、満員の観衆のもとで開催される。
賞金とDPCポイント
『ドリームリーグ・シーズン13:ライプチヒ・メジャー』の優勝チームは賞金30万ドルと4850DPCポイントを手にする。
順位ごとの賞金額は以下の通りだ。
- 1位: 300,000ドル/4,850 DPCポイント
- 2位: 160,000ドル/3,000 DPCポイント
- 3位: 110,000ドル/2,100 DPCポイント
- 4位: 80,000ドル/1,350 DPCポイント
- 5-6位: 60,000ドル/900 DPCポイント
- 7-8位: 40,000ドル/450 DPCポイント
- 9-12位: 25,000ドル/150 DPCポイント
- 13-16位: 12,500ドル/100 DPCポイント
大会形式
ライプチヒ・メジャーのグループステージは出場16チームを4つのグループに分け、総当たりのGSL方式で争われる。
各チームは3試合制の2戦先勝方式で勝敗を争い、上位2チームはメインイベントのアッパーブラケットへ進出。一方、下位2チームはロワーブラケットからのスタートとなる。
メインイベントはダブルイリミネーション方式になる。ロワーブラケットの1回戦は一発勝負で勝ち抜きチームを決め、残りはグランドファイナルズを除いて3試合制の2戦先勝方式となる。グランドファイナルズは5試合制の3戦先勝方式で行われる。
グループの組み分けは以下の通り。
出場チーム
ヨーロッパ、中国、東南アジアにはそれぞれ3つの出場枠が与えられ、北アメリカ、南アメリカ、CISはそれぞれ2つの出場枠が与えられる。
残りの1つの出場枠は、『We Play!ブコバル・マイナー』で優勝したヨーロッパのニグマ・Eスポーツに与えられた。
出場チームの詳細は以下の通り
北アメリカ
イーヴル・ジーニアスズ
北アメリカ最大のゲーミングチームであるイーヴル・ジーニアスズ(EG)は、今大会最強のチームのひとつだ。オフシーズンに選手を大幅に入れ替えたにも関わらず、調子は上がってきている。
『MDL成都メジャー』では4位に入り、『ONE Eスポーツ・Dota2・シンガポール・インビテーショナル』では準優勝を遂げた。
メンバー:
- アルトゥール・“Arteezy”・ババエフ
- アベド・アゼル・“Abed”・ユソプ
- ロマン・“RAMZES666”・クシュナレフ
- アンドレアス・“Cr1t”・ニールセン
- タル・“Fly”・アイジク
カオス・Eスポーツ・クラブ
カオス・Eスポーツ・クラブはスメイル・“SumaiL”・ハッサンというスーパースターを擁しながらも、『MDL成都メジャー』への出場を逃すなど、 2019-20のDPCでは出足で躓いてしまった。そのあと10月にSumaiLが退団するという激震に見舞われるも、代わりに加入したドミトリー・ “DM”・ドーロキンが活躍をみせ、あっさりと『ライプチヒ・メジャー』への出場を決めている。
メンバー:
- ヤワル・“YawaR”・ハッサン
- クイン・ “Quinn”・ キャラハン
- ドミトリー・ “DM”・ドーロキン
- アリフ・“MSS”・アンワル Anwar
- アヴェリー・ “SVG” ・シルヴァーン
南アメリカ
ビーストコースト
ビーストコーストは『ザ・インターナショナル2019』でのベスト8を筆頭に、『ESL Oneハンブルク2019』ではベスト4、『MDL成都メジャー 』 ではベスト8とメジャー大会で立て続けに好成績を収めており、南アメリカ勢がもはやDotaシーンにおいては引き立て役ではないということを証明してみせた。
『ライプチヒ・メジャー』ではアドリアン・“Wisper”・セスペデス・ドブレスが健康上の理由により欠場。代わってホドリゴ・“Lelis”・サントスが出場する。
メンバー:
- エクトル・アントニオ・“K1 Hector”・ロドリゲス
- ジャン・ピエール・“Chris Luck”・ゴンサレス
- ホドリゴ・“Lelis”・サントス
- エルビス・Scofield”・デラクルス・ペーニャ
- ステーィブン・“StingeR”・バルガス
ペイン・ゲーミング
ビーストコーストが南米の王座に君臨するなか、そのあとをぴたりとつけるのがペイン・ゲーミングだ。今季最初のメジャーサイクルでは『Dotaサミット11・マイナー』への出場権を手にしたものの、7-8位と低迷。しかし、今回はメジャーへの出場権を獲得し、チームの成長ぶりをみせつけた。
ペインはビーストコーストを除けば南米最高のタレントを誇るものの、南米が一強体制ではないことを証明するのは、ビッグトーナメントで好成績を収める必要があるだろう。
メンバー:
- ウィリアム・“hFn”・メデイロス
- レオナルド・“Mandy” ・ヴィアーナ
- ダニーロ・ “Kingrd”・ナシメント
- カウエ・ “dunha1”・カムシ
- アンデルソン・“444” ・サントス
ヨーロッパ
チーム・シークレット
シークレットは今大会の優勝候補の一角を占めている。メジャー第1戦の『MDL成都メジャー』は欠場し、さらにその間にイェイク・“MidOne”・ナイツェンが退団し、ラッセ・“Matumbaman”・ウルパライネンが加入している。
シークレットは昨季メジャーで2勝したほか、『ザ・インターナショナル2019(TI9)』では4位でフィニッシュ。さらにTI7優勝メンバーであるMatumbamanの加入によって、さらなる進化を遂げている。チーム史上初のイージス・オブ・チャンピオンズ(ザ・インターナショナルの優勝トロフィー)を獲得するうえで、まずはライプチヒで優勝しておきたいところだ。
メンバー:
- ミハル・“Nisha”・ヤンコウスキ
- ラッセ・“Matumbaman”・ウルパライネン
- ルドウィグ・“zai”・ワールベリ
- ヤツィエド・“YapzOr” ・ジャラダト
- クレメント・“Puppey”・イワノフ
チーム・リキッド
リキッドは今季、好不調の波が激しいシーズンを送っている。『ドリームリーグ・シーズン12』と『MDL成都メジャー』ではそれぞれ4位と5-6位と手堅い成績を残したものの、『ESL Oneハンブルク』と『ONE Eスポーツ・シンガポール・インビテーショナル』は最下位に終わってしまった。
潜在能力の高さをみせつけた瞬間もあったが、タイトル獲得にはやはり持続性が必要となる。ライプチヒ・メジャーはその恰好の試金石となるだろう。
メンバー:
- マイケル・“miCKe”・ヴ
- マキシミリアン・“qojqva”・ブロッカー
- サミュエル・“Boxi”・スヴァン
- トミー・“Taiga”・リー
- アイディン・“iNSaNiA”・サルコヒ
アライアンス
アライアンスは今季最大のサプライズといえる活躍をみせており、『MDL成都メジャー』ではベスト8、『ONE Eスポーツ・シンガポール・インビテーショナル』では4位、『ESL Oneハンブルク』では3位、そして『ドリームリーグ・シーズン12』では優勝を飾っている。
ライプチヒで優勝を遂げ、世界最高クラスの仲間入りを果たすことはできるか。
メンバー:
- ニコライ・“Nikobaby”・ニコロフ
- リナス・“Limmp”・ブロムディン
- ネタ・“33”・シャピラ
- サイモン・“Handsken”・ハーグ
- アドリアン・“Fata”・リンクス
ニグマ・Eスポーツ
『ザ・インターナショナル2019』で優勝を飾ったチーム・リキッドのメンバー(クロキー&CO)が中心となっているニグマ・Eスポーツだが、今季DPCの立ち上がりは理想的とは言い難かった。
チームはアライアンスに敗れて『ライプチヒ・メジャー』への直接の出場権を逃し、大会出場のためには『ブコバル・マイナー』を勝ち抜かなければならなかった。『ブコバル・マイナー』は最終的に優勝を果たしたものの、圧勝してもおかしくない試合で苦戦するなど、不安定なところを露呈してしまっている。
ただ、現在の波の激しいプレースタイルは、これまで彼らが歩んできた道のりを表してるともいえる。優勝を飾った『ザ・インターナショナル2017』でも、ロワー・ブラケットからの快進撃でトーナメントを勝ち抜いたのだから。今回の『ライプチヒ・メジャー』は勝ち癖を取り戻すうえで絶好の試金石となるだろう。
メンバー:
- アメル・“Miracle-”・アルバルカウィ
- アリウィ・“w33”・オマル
- イヴァン・“MinD_ControL”・イヴァノフ
- マロウン・“GH” ・メルヘジ
- クロ・“KuroKy”・タクハソミ
CIS
ヴィルトゥス・プロ
過去数年にわたってCISシーンを支配してきたヴィルトゥス・プロ(VP)だが、今季は群雄割拠となった地域で苦戦が続いている。過去の王朝を築いたメンバーは去っていき、現在ではイゴール・“epileptick1d”・グリゴレンコ、ウィタリエ・“Save-”・メルニクといった若いメンバーに頼らざるを得ない状況となっている。
再建中のチームは『MDL成都メジャー』への出場こそ逃したもの、『ESL Oneハンブルク』や『ONE Eスポーツ・シンガポール・インビテーショナル』ではトップ6入りを果たすなど、徐々に調子を上げてきている。若いチームがメジャーの舞台でどのような戦いぶりをみせるか注目だ。
メンバー:
- イゴール・“epileptick1d”・グリゴレンコ
- ウラジミール・“no[o]ne”・ミネンコ
- ロマン・“Resolut1on”・フォミノク
- ウィタリエ・“Save-”・メルニク
- アレクセイ・“Solo”・べレツィン
ナートゥス・ヴィンケレ
パヴェル・ “9pasha”・クヴァストゥノフを獲得したナートゥス・ヴィンケレ(NA’Vi)は、今季ヴィルトゥス・プロからCISの覇権を奪うことを期待されていた。ところが『MDL成都メジャー』では、ヴィルトゥス・プロと仲良く一緒に予選敗退を喫してしまい、メンバーにさらなる変更を行った。
アクバル・“SoNNeikO”・ブタエフの退団に伴い、バキト・“Zayac”・エミルジャノフが新たにキャプテンに就任。イリヤス・“Ilias”・ガネーエフがポジション5に収まった。『ライプチヒ・メジャー』で躍進し、CISの覇権を高らかに宣言することはできるか。
メンバー:
- ヴラジスラフ・“Crystallize”・クリスタネク
- イダン・ “MagicaL”・ ヴァルダニアン
- パヴェル・ “9pasha”・クヴァステゥノフ
- バキト・“Zayac”・エミルジャノフ
- イリヤス・“Ilias”・ガネエフ
中国
ヴィシ・ゲーミング
ヴィシ・ゲーミング(VG)は現在中国最高のチームで、『ライプチヒ・メジャー』でも優勝候補の一角を占める。チームは昨季、『ドリームリーグ・シーズン11:ストックホルム・メジャー』をはじめ2つのメジャーを制覇し、さらに『ザ・インターナショナル2019』では6位に入った。
今季は『ESL Oneハンブルク』でトップ6、『MDL成都メジャー』では2位、『ONE Eスポーツ・シンガポール・インビテーショナル』では優勝と、すでに好成績を残している。『ライプチヒ・メジャー』を制して今季初のメジャー制覇を成し遂げられるか注目だ。
メンバー:
- シャン・“Eurus”・チェンジュン
- ゼン・ “Ori” ・ジャオヤン
- ショウ・“Yang” ・ハイヤン
- ション・ “Pyw”・ジアハン
- ディン・“Dy” ・コン
インビクタス・ゲーミング
中国人とマレーシア人の連合軍であるインビクタス・ゲーミングは『Dotaサミット11マイナー』で優勝、さらに『MDL成都メジャー』でも3位に入る躍進をみせ、再び中国屈指の強豪の座に返り咲いた。
このように今季の2つのメジャーサイクルでは潜在能力の片りんを披露しているため、『ライプチヒ・メジャー』では是非とも優勝して、中国だけではなく、世界でも屈指の実力があることを証明しておきたいところだ。
メンバー:
- ジン・“flyfly”・シィイ
- ショウ・“Emo”・イィ
- シャイ・ “JT-”・ジュンウェン
- フ・“Kaka”・リャンジ
- チャン・“Oli”・チョンキエン
チーム・アスター
ソン・“Sccc”・チュンや、パン・“Fade”・イィといったスター選手と契約したため、2019-20シーズンのDPCは、アスターにとって飛躍のシーズンになるはずだった。しかし『MDL成都メジャー』の9-12位や、『ONE Eスポーツ・シンガポール・インビテーショナル』での9-10位の成績は、成功というにはほど遠い。
シーズン前に背負った期待に応えるにためにも、『ライプチヒ・メジャー』は是非とも上位入賞を果たしたいところだ。
メンバー:
- ソン・“Sccc”・チュン
- キー・チュアン・“ChYuan”・Ng
- リン・“Xxs”・ジン
- イェ・“BoBoKa”・ジビャオ
- パン・“Fade”・イィ
東南アジア
リアリティ・リフト
東南アジアのシーンで長く活躍してきたウォング・ “NutZ”・ジェン・イやリー・“kYxY” ・コン・ヤンといったベテランたちがリアリティ・リフトの中心プレイヤーだ。『MDL成都メジャー』の予選では最下位と失意の結果に終わったものの、『ライプチヒ・メジャー』の予選はトップ通過を果たし、完全に復調を遂げた。
TNCプレデターの躍進により注目が集まる東南アジアだが、これまでその実力を証明し来たとは言い難いリアリティ・リフトが、それに続くことができるか注目だ。
メンバー:
- アンドリュー・ “Drew”・ハリム
- ヒュウ・“Alacrity”・テック・ユン
- リー・“kYxY” ・コン・ヤン
- ラヴダン・ “Hustla”・ナルマンダア
- ウォング・ “NutZ”・ジェン・イ
フナティック
フナティックはオフに新星ヌエングナラ・“23savage”・ティーラマハノン、そしてミネスキからベテランのミッドプレイヤー、カム・“Moon”・ブーン・センを獲得するなど、すでにタレント豊富だったチームに新たな血を加えた。
しかしながら、チームは『MDL成都メジャー』で9-12位に終わるなど、期待に応えられているとは言い難い。とはいえ、まだまだ実力を証明する機会はいくらでもあり、『ライプチヒ・メジャー』は絶好の試金石となるだろう。
メンバー:
- ヌエングナラ・“23savage”・ティーラマハノン
- カム・“Moon”・ブーン・セン
- ダリル・コ・“iceiceice”・ペイ・シャン
- ジャルデル・ジッコ・“DJ”・マンプスティ
- アヌチャ・“Jabz”・ジラウォン
TNCプレデター
TNCはオフに大補強を行い、若いフィリピン人のチームにダミエン・“kpii”・チョクとパク・“March”・テウォンという韓国のベテラン2人を加えた。
今季はすでに『ESL Oneハンブルク』と『MDL成都メジャー』を制し、その補強が正解だったことを示している。『ライプチヒ・メジャー』でメジャー連覇を果たす可能性も十分だといえるだろう。
メンバー:
- キム・“Gabbi”・ビジャフエルテ
- アルメル・パウル・“Armel”・タビオ
- ダミエン・“kpii”・チョク
- ティモシー・“Tims”・ランドルプ
- パク・“March”・テウォン
優勝予想
机上ではヴィシ・ゲーミング、イーヴル・ジーニアスズ、チーム・シークレットが最強のチームであることは明らかで、優勝候補といえるだろう。また、『MDL成都メジャー』を制したTNCプレデターも捨てがたく、メジャー2連覇を果たしたとしてもおかしくはない。
ただ、各チームがどの程度7.23fパッチに適応できているかは未知数だ。7.22パッチを極めつくしたTNCプレデターが、ナイト・ストーカーとモーフィリング・アースシェイカーのコンボを使いこなして『MDL成都メジャー』優勝を果たすなど、パッチに対する理解度が勝利に直結するケースを、これまで我々は何度も見せつけられてきた。
それを踏まえると、ニグマ・Eスポーツも優勝候補の一角を占めるといっていいだろう。『We Play!ブコバル・マイナー』を勝ち抜いて出場権を獲得した彼らは、現パッチで最も多くの真剣勝負を勝ち抜いてきたチームなのだ。さらに彼らはマイナー制覇で勢いに乗っている。
一方、まだまだ実力を発揮しているとは言い難いものの、アライアンス、リキッド、インビクタス・ゲーミングといった面々も、侮れない存在となるだろう。
『ライプチヒ・メジャー』は混戦となるはずだ。各チームともに実力差は小さく、どのチームが優勝してもおかしくない大会だといえるだろう。
視聴方法
グループステージの各グループは、ドリームリーグの公式Twitchチャンネルでストリーミングされる。
メインイベントは全試合がドリームリーグ公式Twitchのメインチャンネルでストリーミングされる。
グループステージ開幕戦の中継予定は以下の通りだ。
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