『スターラッダー・ImbaTV・Dota2 キエフ・マイナー2020』のグランドファイナルズの試合が行われ、チーム・アスターがアライアンスを3-1で破って優勝賞金7万2000ドルと140DPCポイントを獲得。さらに『ESL One ロサンゼルス・メジャー』への出場権を獲得した。

 この勝利によって、アスターは今季のマイナーを制した2つ目の中国チームとなり、さらに中国を代表してLAメジャーに出場する4つ目のチームとなった。

 なお、直近の二つのメジャー大会でトップ8、トップ4と好成績を残していたアライアンスは、今季初めてメジャーへの出場権を逃すことになった。準優勝チームとして、賞金6万ドルと120DPCポイントの獲得にとどまった。


ゲーム1

 アライアンスは破壊力抜群ながら、柔軟性にも富んだラインアップを選択し、ニコライ・“Nikobaby”・ニコロフがリキ、リナス・“Limmp”・ブロムディンがテンプラー・アサシン、ネタ・“33”・シャピラがオムニナイト、サイモン・“Handsken”・ハーグがルービック、アドリアン・“Fata”・リンクスがオグレ・マギをドラフト。

 一方、アスターは彼らの代名詞ともなっているチームファイト重視の編成となり、ソン・“Sccc”・チュンがモーフィリング、キー・チュアン・“ChYuan”・ヌグがデス・プロフェット、リン・“Xxs”・ジンがオフレーンのパック、パン・“Fade”・イィがニックス・アサシン、イェ・“BoBoKa”・ジビャオがスナップファイアを選択した。

 アスターは序盤で大きなリードを積み上げ、19分にはScccがイージス・オブ・イモータルを確保する。そのあといくつかキルを達成したアスターはミッドレーンを攻めあがるも、アライアンスがイージスが切れた瞬間にScccを狙い撃ちにすると、その後のファイトを制して26分にはミッドレーンのバラックを陥落させた。

 それでもアスターはNikobabyをキルすると、34分には相手のバラックを倒し、ゲームの主導権を奪い返す。アスターはこのあとのチームファイトをすべて制し、最後は敵陣のエンチャントに攻め込んで37分には相手から降参を引き出した。


ゲーム2

 アライアンスはゲーム2に向けて終盤戦重視のヒーローを選択。Nikobabyは代名詞となっているメドゥーサを選択し、Limmpはドラゴン・ナイトを選択。さらに33はマルス、Handskenはディスラプター、Fataはオラクルを選択した。

 これに対してアスターはミッドゲームから終盤戦にかけて強さを発揮するラインアップを選択し、Scccがアーク・ワーデン、ChYuanがストーム・スピリット、Xxsがオムニナイト、Fadeがルービック、BoBoKaがベンジフル・スピリットを選択した。

 アスターは開始早々にリードを奪うと、そのままアライアンスに影すら踏ませなかった。レーニングフェイズを制すると、そのあとはアライアンスに息をつく間も与えなかった。

 アライアンスは散開してNikobabyのためにスペースをつくろうとするが、この戦術はアスターに利するばかりで、次から次へとヒーローをキルされてしまい、もはや取り返せないほどのビハインドを負ってしまう。

 アライアンスはなんとか踏みとどまろうとしたものの、結局23分にギブアップせざるを得なくなり、早くも崖っぷちへと追い込まれることとなった。



ゲーム3

 アスターはこれまでの戦術から逸脱した4プロテクト1の陣形を敷き、Scccがアンティメイジ、ChYuanがシャドウ・フィーンド、Xxsがマルス、Fadeがシャドウ・シャーマン、BoBoKaがチェンを選択した。

 一方、逆転を狙うアライアンスはミッドゲーム重視のラインアップを選択し、Nikobabyがライフスティーラー、Limmpがデス・プロフェット、33がダーク・シーア、Handskenがニックス・アサシン、Fataがジャキーロを選択した。

 レーニングフェーズはまたもアスターが素晴らしい滑り出しをみせ、このままスイープでシリーズを締めくくるかと思われた。アスターはアライアンスの攻撃をいなすと、Scccにフリーでファームするスペースを与え、終盤に向けて布石を打った。

 さらにアスターはScccがトリプルキルを達成して27分のチームファイトを制し、もはや勝利は決定的かと思われた。しかしその2分後、アライアンスはチームファイトでアスターのコア3人をキルし、Nikobabyのためにイージスを確保。さらに32分までにバラックを二つ落とし、一気に形勢を逆転する。

 アライアンスは最後のチームファイトを制すると、38分にアスターから降参を引き出し、なんとかスイープは免れることができた。


ゲーム4

 アライアンスは逆転への一縷の望みをかけ、ゲーム4に向けてチームファイト重視のラインアップを選択。Nikobabyがフェイスレス・ヴォイド、Limmpがデス・プロフェット、33がマルス、Handskenがウィンター・ワイバーン、Fataはオラクルを選択する。

 一方、シリーズを締めくくりたいアスターはScccとBoBoKaがジャイロコプター&ローのコンボを選択し、ChYuanがアウトワールド・デヴォウアー、Xxsがケンタウロス・ウォーランナー、Fadeがシャドウ・デーモンを選択した。

 アスターは素晴らしいスタートを切り、あっという間にマップ全体を支配してしまう。アライアンスはチームファイトに強いヒーローを選択したはずだったが、アイテムやクリープをゲットするにとどまり、肝心の5vs5のチームファイトでは勝利することができない。

 さらにアスターがロシャン・ピットを狙いにいくと、これに対抗することができず、Scccにイージスを確保され、続くチームファイトにも敗れてしまう。アライアンスの必死の抵抗にも関わらず、アスターは悠々と相手のエンチャントを陥落させ、32分で勝利を手にし、キエフ・マイナー優勝を遂げた。


READ MORE: 【Dota2/キエフ・マイナー】第1日のスーパープレー5選