今回は「 AoV・シンガポールチームの側面」の第2回目。シンガポールのSEA ゲームズ2019 『アリーナ・オブ・バロール(以下、AoV)』チームが国を代表し、金メダルを獲得しようとする舞台裏を紹介。厳しい結果となった背景とは……

 あらためて、私の名前はジャッキー・ング。『SEAゲームズ2019』の『アリーナ・オブ・バロール』(以下、AoV)シンガポールチームのコーチです。

クレジット:Jacky Ng

12月11日-シンガポールへ帰国

 いったい何が悪かったのでしょうか?チームは土曜日、0勝6敗に沈み、グループB最下位でトーナメントを終えた後、私は何度もこの質問をしました。

 この日自体は、前日の練習からの良い結果で丸一日を過ごしたことで、まだ午前中にはかなりの自信を持っていました。ラッキーなことにグループAにはベトナムとタイがおり、どちらもやりやすい相手ので、プレーオフに進出できるチャンスがあることもわかっていたのです。

 インドネシアは難しい対戦になることはわかっていましたが、グループ2位で通過するのにマレーシアを破ることができると感じていました。


1試合目 –シンガポールvsインドネシア

 その日の最初の試合はインドネシア戦でした。もし打ち破ることができていれば、残りの時間、良いポジションに居座れたことでしょう。

 私たちは強力なスタートを切り、インドネシアの2つのタワーを倒したときは、1ゲーム目に勝つ準備はできあがっていました。しかし前線へと1度、攻め込んでいる中、チーム内で全面攻撃をするか、先に大きなリードを作るかについて対立があったのです。

 チームは最適な戦略に同意せず、コミュニケーションは乱雑になり、その後のチームファイトに負け、インドネシアが反撃を始めるのに十分な勢いを得ました。

 2ゲーム目、チームはあからさまに1ゲーム目に負けたことに腹を立てていて、それはプレイに現れました。私たちのローテーションは遅く、インドネシアは私たちの精神状態の隙をつき、あっさりと試合を奪っていきました。


2試合目-シンガポールvsマレーシア

 2戦目はマレーシアとの試合でした。トーナメントに進出するのは2勝が必要だとわかっていたのですが、インドネシア戦の無残な敗北を引きずり、チームの士気はそこを尽いていました。

 マレーシアはふたつのゲームで私たちを打ち破りました。ミッドレーンを私たちよりはるかにうまくコントロールし、より速く機動できるようにしました。結果、両方のゲームを失い、プレーオフから私たちを脱落させました。



3試合目 –シンガポールvsラオス

 3試合目、風前の灯火となり、誇りを持っているだけで、私たちはベストを尽くしましたが、ラオスは驚くほど強く、すでにインドネシアとマレーシアそれぞれと試合していました。

 チームは使いやすいヒーローをプレイすることに決めました。これで両ゲームで早くにリードできましたが、ラオスはとても強く、試合中盤、そして後半の戦いで負けてしまいました。

 結局、ラオスはプレーオフライフのために戦っているので、私たちは彼らから試合を奪うことはできず、最後にまた0-2の結果となってしまいます。


 いったい何が悪かったのでしょうか?

 SEAゲームズに参加したことは、それが私たちにとってとても難しいだろうといつもわかっていました。私たちのチームは他に仕事がある5人で構成されており、チームとして一緒にトレーニングする時間がほとんどありません。他のチームのほとんどは、数か月、あるいは数年一緒にプレーした経験を持つフルタイムのプロ選手です。

 各プレイヤーは個々に強力ですが、 チームとして十分に練習することができず、他のチームと同じレベルのシナジーはありませんでしたし、インドネシアとの最初の試合の終わりのように、大事な瞬間にコストがかかったのです。

 残念な結果になりましたが、選手のみんなは、SEAゲームズに参加したことで、初めてeスポーツイベントで私たちの国を代表できたことをとても誇りに思っています。

クレジット:Jacky Ng

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