2019-20の『Dotaプロサーキット』のメジャー第1戦、『MDL成都メジャー』の7日目の試合が行われ、アッパーブラケット決勝でVici Gaming(VG)が今大会で旋風を巻き起こしているTNC Predatorを2-0で下し、グランドファイナル進出を決めた。


ゲーム1

 ゲーム1の序盤は、ゼン・ “Ori” ・ジャオヤンのHuskarがTNC Predatorのアルメル・パウル・“Armel”・タビオをミッドレーンから排除したことにより、VGが支配。開始11分でキルの数で9-1と差をつけ(うち一つはキム・“Gabbi”・ビジャフエルテ相手のものだった)、8000ゴールドをリードする。

 VGが16分までにRoshanを倒すと、流れを変えたいTNCはGabbiのMorphilingが復活するための時間を稼ごうとする。ここで活躍をみせたのはダミエン・“kpii”・チョクのAbaddonで、おとりとなってTNCを自軍のベースから引き離すことに成功する。

 TNCはGabbiがAghanim’s Scepterをゲットしたものの、VGの勢いを削ぐことはできず、ベースを攻め落とされ、ゲーム1はVGの手に渡ることになった。

 


ゲーム2

 ゲーム2のレーニングフェイズは互角の展開となるが、アルメル・パウル・“Armel”・タビオのTemplar Assassinが好パフォーマンスをみせ、Blink DaggerとDesolatorをゲットする。これにより、GabbiのDrow Rangerがファームするための猶予を手にし、VGにプレッシャーをかけることに成功する。

 TNCは21分までにRoshanを倒してマップ全域で優位に立つが、その効果が無効となると、次にRoshanが復活するまでは両軍ともにファームに専念し、散発的にファイトするだけの展開となる。このあとVGが攻め込んできたTNCの勢いをいなしたが、相手のヒーローにダメージを与えることはできず、膠着状態は持続することになる。

 試合は全体的にTNCが支配しているようにみえたが、シャン・“Eurus”・チェンジュンが一通りアイテムを揃えると、ほぼすべてのTNCの攻撃を無効化し、展開を互角に持ち込む。さらに終盤のRoshanを巡る攻防でTNCがAegisを手にするが、VGはション・ “Pyw”・ジアハンが横から割り込んでCheese、Refresher Shard、Aghanim’s Blessingをかすめ取ることに成功する。その後、VGはTNCのヒーローを相手に二つの決定的なキルを達成し、勝利に大きく手繰り寄せた。

 勢いを味方につけたVGは、TNCとのチームファイトで優位に立ち、次々と相手のヒーローを倒していく。もはやEurusのFaceless Voidは手が付けられない状態になり、トップレーンでの決定的なファイトはVGがものにし、63分に勝利を手にした。

 この勝利によって、VGは2位以上が確定し、最低でも賞金160万ドルと3000DPCポイントを手にすることが決定。このポイントによって、『ザ・インターナショナル2020』への招待が確実となった。

 一方、今大会で旋風を巻き起こしてきたTNCだが、逆転優勝のチャンスはまだある。ロワー・ブラケット決勝でInvictus GamingとEvil Geniusesの勝者と対戦し、これに勝利すれば、グランドファイナルでVici Gamingと再戦のチャンスを手にすることになる。

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