2019-20の『Dotaプロサーキット(DPC)』の第1戦、『Dotaサミット11マイナー』が開幕を迎えた。
ここでは大会について知っておかなければならない情報をすべて網羅する。
史上最大のサミット
『Dotaサミット』はビヨンド・ザ・サミット主催のイベントで、プレイヤーと観客が一体となった、「LANパーティ」の雰囲気が漂うカジュアルな大会となっている。
『Dotaサミット11』はこれまでビヨンド・ザ・サミットが主催したなかでも最大級のイベントになる。今季DPCの最初のサミットというだけでなく、サミットとしては史上初めて観客の前で行われる大会となるのだ。
『Dotaサミット11』は11月7日から10日にかけて、カリフォルニア州ロサンゼルス(アメリカ)のビヨンド・ザ・サミット・スタジオで開催される。8つの出場チームが二つに分かれて総当たりのグループステージを戦い、勝ち抜いたチームはダブルイリミネーション方式のプレーオフに臨む。
賞金とDPCポイント
『Dotaサミット11』の賞金総額30万ドル、660DPCポイントをかけて争われ、優勝したチームには7万2000ドルと140DPCポイントが与えられる。また、優勝チームは『MDL成都メジャー』への出場権も手にする。
なお、『MDL成都メジャー』への出場権を手にするのは優勝チームだけだが、2位のチームは賞金6万ドルと120DPCポイント、3位のチームも賞金5万4000ドルと110DPCポイント、4位のチームは賞金4万2000ドルと90DPCポイントを手にする。
出場チーム
グループA
Ninjas in Pyjamas
昨季DPCの最後のマイナー2大会で優勝したNinjas in Pyjamasは、『Dotaサミット11』でも優勝候補の最右翼とみられる。キャプテンのピーター・“ppd”・ダガーとサーヒル・“Universe”・アローラは『ザ・インターナショナル2015』で優勝したメンバーで、豊富な経験を誇っている。
10月は『ドリームリーグ・シーズン12』で3位、『ESL Oneハンブルク』で7-8位とふるわなかったが、それでも彼らが3大会連続でマイナーを制する可能性は高い。
- オリバー・ “Skiter”・レプコ
- ニコ・ “Gunnar”・ロペス
- サーヒル・“Universe”・アローラ
- マルテ・ “Biver”・ウィンサー
- ピーター・“ppd”・ダガー
jfshfh178
ウクライナ人とベラルーシ人で構成されるこのCISのチームは、チームの成熟を目的に今大会を欠場したVirtus.proの代理で出場権を得たに過ぎないが、それでも過小評価してはいけない実力の持ち主だ。彼らはCIS予選で3位に入っており、強豪チームを脅かす潜在能力を秘めている。
- ニキータ・“Palantimos” ・グリンケヴィッチ
- ヤロスラフ・“Pikachu”・ヴァシレンコ
- ウラディスラフ・“Kazl”・コズロフスキ
- ダニル・“Bignum” ・シェホフツォフ
- シアルヘイ・“HappyDurara”・カロンツィ
Pain Gaming
Pain Gamingは僅差で『MDL成都メジャー』への出場権を逃し、ロサンゼルスにたどり着くためにも長いマイナーの予選を勝ち抜かなければならなかった。
予選の過程で彼らの強い反発力が証明されたが、今大会はビザ発給の問題で、キャリープレイヤーのアドリアーノ・“4dr”・マチャドを欠くという苦しい戦いを強いられる。4drの代わりはNoPing Esportsのコエーリョ・“Therence”・フェレイラが務めるが、どの程度チームに適応できるかがカギになりそうだ。
- コエーリョ・“Therence”・フェレイラ (代理出場)
- ウィリアム・ “hFn” ・メデイロス
- ホドリゴ・ “Lelis”・サントス
- チアゴ・デ・オリヴェイラ・ “Thiolicor”・コルデイロ
- アンデルソン・ “444” ・サントス
Invictus Gaming
現チームのメンバーは、Invictus Gamingという伝統あるチームの名声に見合うほどの経験を備えてはいないが、それでも彼らはサプライズを起こす可能性を秘めているといえる。
チームには中国とマレーシアから才能が結集し、『ザ・インターナショナル2017』のファイナリストである元Newbeeのフ・“Kaka”・リャンジといったベテランもメンバーに名を連ねている。
- ジン・“flyfly”シィイ
- ゾウ・“Emo”・イィ
- シャイ・ “JT-”・ジュンウェン
- フ・“Kaka”・リャンジ
- チャン・“Oli”・チョンキエン
グループB
Chaos Esports Club
Chaos Esports Clubは本大会への出場権を獲得していたQuincy Crewと契約する形で参戦を果たした。Quincy Crewの名声の大部分はスメイル・“SumaiL”・ハッサンというスーパースターを擁していることから来ていたが、そのSumailが「チームへの適応」を問題に電撃退団。ヨナス・“SabeRLight-”・ヴォレクが代理を務めることになった。
SumaiLこそいなくなってしまったが、それでもChaos Esportsの面々は『MDL成都メジャー』への切符を手にする最有力候補ともいえるだろう。
- ヤワル・ “YawaR” ・ハッサン
- クイン・ “Quinn”・キャラハン
- ヨナス・“SabeRLight-”・ヴォレク
- アリフ・ “MSS” ・アンワル
- アヴェリ・ “SVG” ・シルバーマン
HellRaisers
予選でjfshfh178を下したHellRaisersは、Virtus.proとともに予選突破を果たした。Virtus.proの代理で出場することになったjfshfh178との再戦も期待されている。
チームには才能豊かな若手とベテランが在籍しているが、内部で抱える問題が今大会では支障をきたすかもしれない。予選ではイリヤ・“ALOHADANCE”・コロブキンがポジション4として活躍したが、先ごろチーム練習への参加を拒否してベンチに降格。代わりにセイモン・“CemaTheSlayer”・クリヴルヤがポジション4を務めることになった。
- アリク・ “V-Tune” ・ヴォロベイ
- アレクサンダー・“Nix”・レヴィン
- ドミトリー・“DM” ・ドロキン
- セイモン・“CemaTheSlayer”・クリヴルヤ
- ヤロスラフ・ “Miposhka”・ナイデノフ
Geek Fam
Geek FamはSEA地域の予選で圧倒的なパフォーマンスを披露し、ロサンゼルスへの切符を勝ち取った。元TNC Predatorのチームメイトであるマルコ・ポーロ・“Raven”・ファウストとカルロ・“KuKu”・パラドの活躍が光った。
このコンビの超アグレッシブなスタイルはSEA全体の潮流を体現しており、噛み合えばどんな強豪にも通用するだろう。彼らはとんでもないショーを展開する可能性があり、目が離せない存在だ。
- マルコ・ポーロ・“Raven”・ファウスト
- エリック・ “Ryoya”・ドン
- カルロ・“KuKu”・パラド
- ケニー・“Xepher”・デオ
- キム・“DuBu”・ドゥーヨン
Ad Finem
Ad Finemは2019-20のDPCに向けてメンバーを一新し、Dota最前線への復帰を果たした。
このギリシャのチームは2016年の『ボストン・メジャー』でNewbee、LGD.Forever Young、Digital Chaosといった面々を次々と破り、ファイナルでOGに敗れたものの、大会に旋風を巻き起こした。その実績も考慮すれば、彼らが大会のダークホースとなる可能性はゼロではない。
- オマル・ “Madara”・ダバカック
- ディミトリス・“ThuG” ・プリヴォウリス
- カリス・“SkyLark” ・ザフェイリョウ
- ヴェロス・“Maybe Next Time”・アポストロス
- ギオルゴス・ “SsaSpartan”・ジャンナコポウロス
視聴方法
『Dotaサミット11マイナー』はビヨンド・ザ・サミットのTwitchチャンネルで視聴可能となっているが、そのほかにも大会の名物となっている選手たちが登場するTwitterやYoutubeを使った配信も見逃せない。