韓国の団体T1は、Eスポーツの分析プラットフォーム「Mobalytics」への投資を行うことで、Riot Gamesの期待の新作シューター『ヴァロラント』への取り組みをさらに強化することになった。

 「Mobalytics」はプレイヤーの成長に主眼を置いた分析プラットフォームとして2016年に創設され、Riotの主力MOBAである『リーグ・オブ・レジェンズ(LoL)』に特化している。最近ではその活動を拡大し、『LoL』のスピンオフであるオートバトラー『チームファイト タクティクス』とTCG『レジェンド・オブ・ルーンテラ』も対象に含めている。

 T1は「Mobalytics」への投資を行うことで『ヴァロラント』に特化したトレーニングプログラムの構築に協力し、あらゆるレベルのプレイヤーたちのゲームスキル向上を助けることを狙いとしている。

 「(Mobalyticsへの)最初の戦略的投資を実行できることを嬉しく思っている。彼(Mobalytics創設者のアミン・イッサ)と彼のチームは素晴らしい仕事をしており、成長と成功を続けている」とT1のジョー・マーシュCEOは個人ツイッターアカウントで投稿した声明の中で述べている。

 誕生間もない『ヴァロラント』の競技シーンにおいて、T1は特に積極的な活動を見せてきた団体のひとつ。3月には最初の『ヴァロラント』プロ選手としてブラックストン・“Brax”・ピアースと契約を交わした。

 その後T1は、『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)』の元プロであるケヴェン・“AZK”・ラリヴィエレ、オースティン・“crashies”・ロバーツ、ヴィクター・“Food”・ウォンも加えた4人で強力なメンバーを構成。さらに『CS』のレジェンドであるダニエル・“fRoD”・モンテイナーを『ヴァロラント』チームのヘッドコーチとして迎え入れた。

 クローズドベータの段階に入ってまだ1ヶ月あまりの『ヴァロラント』だが、このゲームを取り巻く熱気は異常なまでに高まっている。

 多くの団体が『CS:GO』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ』など他のシューティングゲームから大物プレイヤーを引き抜こうと躍起になっており、今後トップレベルのEスポーツに上り詰めると予想される『ヴァロラント』の新たな競技シーンでの力試しがすでに開始されている。

 『ヴァロラント』のような新たなゲームでの戦いをスタートさせようとする団体にとって、分析に基づいたアプローチが好影響をもたらすことは間違いない。チームやプレイヤーに関する決断を下す指針となる過去の試合履歴が存在しないことを考えればなおさらのことだ。