センチネルズは、『ヴァロラント』ロスターの最後の一人として『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)』の元プロ選手であるマイケル・“dapr”・グリーノと契約を交わしたことを発表した。

 今年4月に『ヴァロラント』へ転向した元『オーバーウォッチ・リーグ』MVPのジェイ・“Sinatraa”・ウォンを加入させたことでも話題となったセンチネルズ。スター揃いのロスターには他にも『CS:GO』元プロのシャーゼブ・“ShahZaM”・カーン、ハンター・“SicK”・ミムズ、ジャレド・“Zombs”・ギトリンを擁している。

 「今後数年間にヴァロラントの競技Eスポーツシーンが拡大していく中で、大会を戦っていくロスターにdaprも加入する。(中略)これから数多くのトーナメントで彼らが力を発揮できるのをチームとして楽しみにしている」とセンチネルズは声明の中で述べている。

 daprは2018年から2019年にかけてeUnitedでライフラーとして活躍したことで最も知られている。このチームで『ESLプロリーグ』や『FACEITプロリーグ』にレギュラー出場していた。eUnitedを離れたあとはスウォール・パトロール、ラザルスEスポーツ、チーム・シンギュラリティーなどでもプレーしていた。

 所属していた『CS:GO』チームのバッド・ニュース・ベアーズが成績不振により解散したあと、daprは5月半ばに『ヴァロラント』への転向を正式に発表した。

 「最終的に、過去2年間のようにプロリーグの下位ループにいるよりも、ヴァロラントへの転向を決めることが僕個人にとって一番の選択だと決断した」とdaprは『CS:GO』からの引退と『ヴァロラント』への転向を個人ツイッターアカウントで発表していた。

 北アメリカでは元『CS:GO』プロ選手の『ヴァロラント』転向が相次いでおり、daprもその一人。ゲイジ・“Infinite”・グリーン、ヴィクター・“Food”・ウォン、ライアン・“freakazoid”・アバディール、ジョーダン・“Zellsis”・モンテムーロなどもすでに新天地を求めて『ヴァロラント』へ転向している。

 同じくアメリカの元『CS:GO』プロ選手であるジャコブ・“yayster”・ホワイトエーカーは、これほど多くの選手が転向を決めている理由として、トップレベル以外のチームのプレイヤーたちに対する組織的サポートが不十分であることを指摘していた。

 「ヴァロラントのようなゲームがあるのにCSの下位ディビジョンに投資を行う理由はないと思う。まだシーンが確立されていないところに資金をつぎ込む方が各団体にとって有意義だ。今はゴールドラッシュのようなものだ。20位や30位クラスのチームに投資をしても仕方がない」とyaysterは語る。

 「彼らを責めるつもりはない。収入を必要としている者もいるし、ひとつのゲームを何年もやってきて新鮮なスタートを望んでいる者もいる。大半は、このチャンスを稼ぎに繋げたいと考えているわけじゃない。ただ、それしか手がないんだ」

 『ヴァロラント』は6月2日に正式リリースされたばかりだが、このゲームを取り巻く熱狂度は高まる一方。今後トップレベルのEスポーツに上り詰めることを見越して、『CS:GO』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ』など他のシューティングゲームの大物選手たちが誕生間もない『ヴァロラント』の競技シーンですでに腕試しをスタートさせている。