『オーバーウォッチ・ワールドカップ(OWWC)』王者でもあるワシントン・ジャスティス・DPSのプレイヤー、コレイ・“Corey”・ニグラが『ヴァロラント』への転向のため『オーバーウォッチ』を引退することを発表した。

 「驚く人も多いかもしれないし、そうでない人もいるかもしれない。だがオーバーウォッチでの僕の時間は終わった。オーバーウォッチからは正式に引退する(中略)自分の心にヒットしたゲームをやり込んでいきたい。ヴァロラントだ」とCoreyは自らのツイッターアカウントで発表を行っている。

 Coreyは2017年に『オーバーウォッチ』でのキャリアをスタート。まずはイースト・ウインドのメンバーとしてプレーし、その年の4月にはイーヴル・ジーニアスズ(EG)に移った。7月にEGを去った後は活動を休止したが、2018年2月にコンペティティブシーンに復帰。『オーバーウォッチ・コンテンダーズ』のチームであるグラディエイターズ・レギオンに加入した。

 ワシントン・ジャスティスが『オーバーウォッチ・リーグ(OWL)』第2シーズンの新たなフランチャイズとなることが発表された時には、Coreyはチームのロスターの最初のメンバーの一人として名を連ねた。その後ジャスティスのキャプテンにも任命されたが、チームはレギュラーシーズン8勝20敗の成績で17位にとどまった。

 Coreyが『オーバーウォッチ』で最大の業績を残したのは2019年11月に開催された『OWWC』。アメリカ代表の一員として、過去3度の『OWWC』王者に輝いている韓国を下し、グランドファイナルでも中国を破ってアメリカに初の『OWWC』タイトルをもたらした。

 「自分が本当に大好きなことをしながら過ごした全ての時間や、それをファンのみんなと分かち合えたことを思い出すと、まるで現実とは思えないほどだ。OWLに参加できたのは僕の人生の中でも永遠に残る大きな一歩だった。良い時も悪い時も僕らを応援し続けてくれたファンのことは絶対に忘れない。彼らのサポートのおかげでいつも顔を上げて前を向き続けることができた。いくら感謝しても足りない。僕の人生の次のステップも応援してくれることを願っている」とCoreyは述べている。

 「Corey、ありがとう。君はいつも素晴らしいリーダーであり、献身的な努力家であり、ポジティブな姿勢を持ち続けてくれた。チームにいてくれて光栄だった。今後の幸運を祈りたい」とワシントン・ジャスティスは声明を出した。

 『ヴァロラント』に転向するにあたり、Coreyはこのゲームのコンテンツ作成や自身のTwitchチャンネルでのストリーミングに専念する予定だと表明している。

 プロとしてプレーするという公式発表はまだ行っていないCoreyだが、同じく『OWWC 2019』王者であり『2019 OWL』MVPでもあるジェイ・“Sinatraa”・ウォンに続くことが予想される。Sinatraaは4月に『ヴァロラント』に転向し、センティネルズに加入している。

 「もっと若い頃にはカウンターストライク(CS)のプロになりたいと考えていた。ヴァロラントはCSとOWのハイブリッドのようで、まさに僕のためのゲームだと思える。あらゆるチャンスを追い求めて最初から飛ばしていくつもりだ(中略)いつかまたヴァロラントの舞台でみんな会えることを願っている」とCoreyは記した。

 『ヴァロラント』はまだクローズドベータの段階から1ヶ月あまりが経過したところだが、このゲームを取り巻く期待は異常なまでに高まっている。トップレベルのEスポーツになるのは今後まだ先のことだとしても、『CS:GO』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ』など他のシューティングゲームの大物選手たちが誕生間もない『ヴァロラント』のコンペティティブシーンで力試しを開始している。