スペンサー・“Hiko”・マーティンは『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)』を引退し、『ヴァロラント』のプロ選手として100 Thievesの新チームのキャプテンを務めることを発表した。

 「100 Thievesはずっと憧れていた団体だった。経営陣や、実際に一緒に仕事をすることになる人たちと話をして、彼らの目標と僕の目標がほぼピッタリと一致することが分かった」とHikoはコメントしている。

 「キャリアを通してずっと、僕の目標は勝つことだった。勝ちたいと思っているし、今後も勝利のために何でもするつもりだ。100 Thievesと一緒に目指していくのは、この団体にできるだけ多くのタイトルとトロフィーをもたらすことだ」

 100 Thievesの設立者でありCEOのマシュー・“Nadeshot”・ハーグも、「Hikoはすでに競技経験が非常に豊富であり、トップレベルで競うためには何が必要なのかを分かっている」と団体としての考えを述べている。

 「彼は大舞台で戦い、大勢の観衆の前でも戦ってきた。100 Thievesのヴァロラントチームのキャプテンとして迎え入れるのに最高の人材だと考えている」とNadeshotは続けた。

 Hikoは北アメリカで最も成功を収めた『CS:GO』プレイヤーの一人として知られており、compLexityゲーミング、クラウド9(C9)、iBUYPOWER、チーム・リキッド、ローグなどの団体でプレーしてきた。

 特に大きな実績を残したのはC9に在籍していた2014年。『ESL One:ケルン2014』のトップ8フィニッシュに向けた戦いの中で、このゲームの歴史上最も勝負強いプレイヤーの一人と評されるようになった。その驚異的なパフォーマンスは以下のようなハイライトでもよく分かる。

 100 Thievesは『ヴァロラント』ロスターの他のメンバーをまだ明らかにしていないが、Hikoは新たな競技シーンへ飛び込むことを早くも楽しみにしているようだ。

 「カウンターストライクを18年間プレーしてきたが、ヴァロラントが僕にとって特に衝撃的だったのは、ガンプレイや戦闘法に関しては非常に似ていると感じられることだ。だがアビリティーを使い始めると、様々な戦略的オプションや戦術スタイルを実際に用いることができるようになる。だからこそプレーするのも考えるのも本当に楽しいゲームとなっている」とHikoは語る。

 北アメリカでは元『CS:GO』プロ選手の『ヴァロラント』転向が相次いでおり、Hikoもその一人となる。ゲイジ・“Infinite”・グリーン、ヴィクター・“Food”・ウォン、ライアン・“freakazoid”・アバディール、ジョーダン・“Zellsis”・モンテムーロなどもすでに新天地を求めて『ヴァロラント』へ転向している。

 同じくアメリカの元『CS:GO』プロ選手であるジャコブ・“yayster”・ホワイトエーカーは、これほど多くの選手が転向を決めている理由として、トップレベル以外のチームのプレイヤーたちに対する組織的サポートが不十分であることを指摘していた。

 「ヴァロラントのようなゲームがあるのにCSの下位ディビジョンに投資を行う理由はないと思う。まだシーンが確立されていないところに資金をつぎ込む方が各団体にとって有意義だ。今はゴールドラッシュのようなものだ。20位や30位クラスのチームに投資をしても仕方がない」とyaysterは語る。

 『ヴァロラント』は6月2日に正式リリースされたばかりだが、このゲームを取り巻く熱狂度は高まる一方。今後トップレベルのEスポーツに上り詰めることを見越して、『CS:GO』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ』など他のシューティングゲームの大物選手たちが誕生間もない『ヴァロラント』の競技シーンですでに腕試しをスタートさせている。