T1は、『ヴァロラント』のロスターの最後の1人として『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)』の元プロであるテイラー・“Skadoodle”・レイサムと契約を交わしたことを発表した。

 Skadoodleは同じく元『CS:GO』のプロ選手であるブラックストン・“Brax”・ピアース、ケヴェン・“AZK”・ラリヴィエレ、オースティン・“crashies”・ロバーツ、ヴィクター・“Food”・ウォンとともにロスターを組むことになる。コーチを務めるのは『CS』のレジェンドであるダニエル・“fRoD”・モンテイナーだ。

 「また戦えるのを本当に楽しみにしている。このチャンスをもらえたことにすごく感謝しているし、もう一度自分の情熱を追い求めていくことを最高に嬉しく思っている」とSkadoodleは自身の個人ツイッターアカウントでコメントを投稿している。

 Skadoodleは2012年にチーム・カーズで『CS:GO』のプロキャリアをスタート。ディナイアル・Eスポーツ、iBUYPOWER、GXでもプレーしたあと、2015年には彼が所属した『CS:GO』チームとして最も知られるクラウド9(C9)に加入した。

 C9のAWP役を務め、2016年にはチームの『ESLプロリーグ』タイトル獲得に貢献。2018年1月にはボストンで開催された『ELEAGUEメジャー』でも優勝し、チームに初のメジャータイトルをもたらした。

 その年の3月には一旦『CS:GO』を休養したSkadoodleだが、2週間も経たずに再びC9に復帰。その後6ヶ月間の休止期間を経て、フルタイムのストリーマーとして活動したあと、『ヴァロラント』への転向を決めた。

 T1ではiBUYPOWERの元チームメートでもあるBrax、AZKとも再び一緒に戦うことになる。

 北アメリカでは元『CS:GO』プロ選手の『ヴァロラント』転向が相次いでおり、Skadoodleもその一人。ゲイジ・“Infinite”・グリーン、ライアン・“freakazoid”・アバディール、ジョーダン・“Zellsis”・モンテムーロなどもすでに新天地を求めて『ヴァロラント』へ転向している。

 同じくアメリカの元『CS:GO』プロ選手であるジャコブ・“yayster”・ホワイトエーカーは、これほど多くの選手が転向を決めている理由として、トップレベル以外のチームのプレイヤーたちに対する組織的サポートが不十分であることを指摘していた。

 「ヴァロラントのようなゲームがあるのにCSの下位ディビジョンに投資を行う理由はないと思う。まだシーンが確立されていないところに資金をつぎ込む方が各団体にとって有意義だ。今はゴールドラッシュのようなものだ。20位や30位クラスのチームに投資をしても仕方がない」とyaysterは語る。

 「彼らを責めるつもりはない。収入を必要としている者もいるし、ひとつのゲームを何年もやってきて新鮮なスタートを望んでいる者もいる。大半は、このチャンスを稼ぎに繋げたいと考えているわけじゃない。ただ、それしか手がないんだ」

 『ヴァロラント』は6月2日に正式リリースされたばかりだが、このゲームを取り巻く熱狂度は高まる一方。今後トップレベルのEスポーツに上り詰めることを見越して、『CS:GO』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ』など他のシューティングゲームの大物選手たちが誕生間もない『ヴァロラント』の競技シーンですでに腕試しをスタートさせている。