中国の『リーグ・オブ・レジェンド・プロリーグ』はスプリング・プレーオフの準々決勝の試合が行われ、トップ・Eスポーツとファンプラス・フェニックスがそれぞれ第8シードのチーム・WEと第6シードのエドワード・ゲーミングを3-1で下し、準決勝進出を果たした。

Screenshot by Amanda Tan/ONE Esports

トップ・Eスポーツ vs チーム・WE

 下記のゴールド推移のグラフがゲーム1のすべてを物語っている。試合は一進一退のシーソーゲームとなり、TESは中盤戦までリードを握っていたが、マクロ・コールによってチャンピオンとタワーが犠牲になった。

 ブリッククランクを擁していたにも関わらず、TESは目標のターゲットを手にすることができなかった。中盤戦から終盤戦にかけては頼みのケネンがテレポートで飛ばされ続け、チームファイトの勝利がおぼつかなくなった。

 ネクサスでの最終決戦において、バイ・“369”・ジアハオのスライシング・メールシュトロームはジアン・“beishang”・ジペンのドラゴン・レイジに阻まれ続け、チーム・WEにシリーズで先行されることになった。

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 TESはゲーム2のドラフトでレーン重視の選択をみせ、シュオ・“Knight”・ディンがシンドラ、ハン・“Karsa”・ハオフシュアンがリー・シン、そしてユ・“JackeyLove”・ウェンボがヴァルスを選択した。

 ジアン・“Teacherma”・チェンが代名詞のアウレリオンを選択したにも関わらず、Knightはレーンの主導権を握り、マップもより効率的に支配した。ミッドゲームを制すると、TESはトップレーンから試合をひっくり返してみせた。

 APとADキャリーの両方にテレポートを使った結果、369はチームが崩壊するまで生き延びることができた。序盤はキルで0-3とリードされたにも関わらず、TESは試合を23分でものにした。最後にKnightは25スタックとメジャイを満タンにし、5/0/10 KDA(キル・デス・アシスト)のパーフェクトを達成した。

 TESはゲーム3でも引き続き、勝利の方程式であるシンドラ、リー・シン、ヴァルスの選択に賭けた。ゲーム2ほどうまくはいかなかったものの、4頭のマウンテン・ドラゴンとマウンテン・ソウルを確保し、防御力と魔法防御が大きく向上。それはオルンを選択した369にとっては大きなアドバンテージとなった。

 一個のユニットとして動いたTESは、慎重にチームファイトを進め、試合の流れを完全に掌握した。39分でゲーム3をものにし、シリーズに王手をかけることに成功する。

 あとがなくなったWEはゲーム4のドラフトでブルーサイドのシンドラとオルンを使用禁止にする。1回戦のeスター戦で功を奏した戦術にすがったWEは、ミッドにガイロを選択すると、最後はヒーローズ・エントランスを促進するチャンピオン、カミールを選択した。

 試合は拮抗した展開が続き、12分までキルがない展開となった。TESはTeachermaを相手にファースト・ブラッドを手にするが、それでも4人の命を犠牲にすることになった。これで流れはWEに傾いたが、それもバロンが悲劇に見舞われるまでのことだった。

 間一髪で蘇ったJackeyLoveがテレポートをすると、一発の「ピアッシング・アロー」でバロンをスティールすることに成功する。KnightのコルキとともにWEを撤退させ、その過程で3体のチャンピオンをキルして、そのままシリーズをものにした。

 勝利したトップ・Eスポーツは準決勝で、第1シードのインビクタス・ゲーミングと対戦する。

ファンプラス・フェニックス vs エドワード・ゲーミング

 シリーズの趨勢は決定付けたのは、ファンプラス・フェニックスの見事なマクロプレーだった。

 FPXはドラフトによって戦術を遂行し、キム・“Doinb”・テサンがツイステッド・フェイトを選んでシンドラに対抗した。アートロックスをトップに置くと、EDGのチームファイトとの正面衝突を避け、1-3-1の戦術を採用した。

Screenshot by Amanda Tan/ONE Esports

 ミッドゲームはそれぞれのチームが目標物を狙う展開となったが、EDGはキム・“GimGoon”ハンサエムのアートロックスにバックラインを散り散りにされてしまう。

 しかしEDGにとって福音となったのは、シャオ・“Aodi”・アオディによる奇跡的なバロン・スティールだった。Aodiがこれをやり遂げたのは、今季のプレーオフで2度目となる。一度目はロイヤル・ネバー・ギブアップとの1回戦で、オルンにアンシールド・スペルブックを使って達成していた。

 それにも関わらず、ドラゴンでのファイトにより、FPXは試合を終わらせることに成功する。EDGがチーム一丸となってバックラインでアートロックスに対抗したにも関わらず、リン・“Lwx”・ウェイシャンがオンラインに復帰したため、それも遅きに失した。

 ゲーム2のドラフトフェーズで、Doinbはライズを選択してファンを歓喜させた。ライズはDoinbにとって代名詞ともいえるチャンピオンだが、今季のレギュラーシーズンでは第1週以来、ライズを使って勝利していなかったのだ。するとFPXはゲーム1と同じく1-3-1戦術を採用したにも関わらず、ゲーム1ほどうまく試合は運ぶことができない。

 EDGはFPXのドラフトの意図を読み切っていたため、序盤から積極的にその動きを封じに出た。FPXはキルで6-2とリードしたが、代わりに目標物を取られたため、ゴールドはイーブンの展開が続いた。

 FPXにとってのターニング・ポイントは22分に訪れた。リュ・“Crisp”・キンソンのタム・ケンチは早めにクイックシルバー・サッシュを使ったことで死を免れ、これによって一気に流れが傾いた。LwxはHPが残りわずかだったにも関わらず、遠距離から「ピアッシング・アロー」を繰り出して、このファイトに大きく貢献した。

 勢いに乗るFPXは、ガオ・“Tian”・チャンリャンがマウンテン・ドラゴンをスティールし、EDGのソウル・ポイントを阻止した。その戦いでDoinbはペンタキルを達成してEDGを一掃し、そのままゲームをものにした。

 追い込まれたEDGはゲーム3ではいい意味で別人のようになっていた。ドラフトフェーズではタム・ケンチを使用禁止にすることで、相手にヴァルスを選択させるというトラップをしかけることに成功する。相手のアウトワールド・デヴォウアーの守りを除外することに成功したEDGは、チーム全体をボットレーンに振り向け、FPXのデュオを封じてみせた。

 FPXの奮戦にも関わらず、EDGはキル、タワー、目標物の数でリードを奪い、17分でソウル・ポイントをものにした。まるでお手本の様な展開でFPXを封じたEDGは、立て続けにトップレーンのタワー、3キル、バロンの確保とつないでいき、24分でゲームをものにした。

 ゲーム4のドラフトフェーズでEDGがカリスタとリー・シンを重宝していることに気づいたFPXは、トップにポッピーを選択し、「ステッドファスト・プレゼンス」でジャンプを封じにかかった。

 一方のEDGはリー・“Scout”・イーチャンのためにカッサディンを選択したが、これはまったく機能しなかった。

Screenshot by Amanda Tan/ONE Esports

 このシリーズ最終戦において、FPXは論理的に試合を進め、優勝した2019年の世界選手権からさらに大きく成長した姿をみせつけた。ドラフトによってEDGのタワーダイブを防いだだけでなく、自軍にレーン・プライオリティをもたらし、それがジャングルのコントロールと目標物陥落につながった。

 FPXはEDGのミッドタワーを陥落させると、ゴールドで1万2000のリードを積み上げ、わずか20分でゲームをものにした。

 勝利したファンプラス・フェニックスは4月27日の準決勝でJD・ゲーミングと対戦する。