2019-20の『Dotaプロサーキット』のメジャー第1戦、『MDL成都メジャー』が遂に開幕を迎えた。ここでは大会について知っておくべきことをおさらいしよう。


パンダの首都での決戦

 『MDL成都メジャー』はMars Media社が主催する10回目の大会で、MDL(Mars Dota2 League)にとって3回目のメジャー大会だ。過去には2017年に『MDLマカオ』が、2019年には『MDLディズニーランド・パリ』が開催されている。また、中国でのメジャー大会開催はこれで6回目となる。

 大会は“パンダの首都”こと成都で開催。会場は「成都世紀城新国際会議展示センター」で、11月16日から24日にかけて開催される。16チームが4つの組に分かれてGSLフォーマットのグループステージで対戦し、勝ち抜いた8つのチームがダブル・イリミネーション方式のプレーオフで激突する。


賞金とDPCポイント

 出場チームは賞金総額100万ドルと1万5000DPCポイントをかけて戦い、優勝チームには30万ドルと4850DPCポイントが与えられる。

 順位に応じた賞金額と獲得DPCポイントは以下の通り。

  • 1位: US$300,000 /4,850ポイント
  • 2位: US$160,000/3,000 ポイント
  • 3位: US$110,000/2,100 ポイント
  • 4位: US$80,000/1,350 ポイント
  • 5-6位: US$60,000 /900 ポイント
  • 7-8位: US$40,000 /450 ポイント
  • 9-12位: US$20,000/150 ポイント
  • 12-16位: US$12,500/100 ポイント

 トップ4のチームには1000ポイント以上が与えられるため、本大会で好成績を上げたチームは、ストックホルム(スウェーデン)で開催される『ザ・インターナショナル2020』への出場権獲得に向けて、優位なポジションにつくことになる。


出場チーム

 10月に行われた各地域予選を勝ち抜いた15チームと、先ごろ開催された『Dotaサミットマイナー11』の優勝チームが出場権を獲得。内訳はヨーロッパ、CIS、南アメリカから2チーム、北アメリカと東南アジアから3チーム、さらに中国からは3チームとなっている。

 Team Secret、PSG.LGD、元Liquidのメンバー(Kuroky and co.)、そして2度の世界王者OGが欠場したことにより、『MDL成都メジャー』は新進気鋭のチームたちにとってはタイトル獲得に向けた絶好の機会となる。


北アメリカ

Credit: Evil Geniuses

Evil Geniuses

 『ザ・インターナショナル2015』の優勝チームは、今大会の優勝候補の一角だ。今季もチームは多国籍軍で、アベド・アゼル・“Abed”・ユソプとロマン・“RAMZES666”・クシュナレフといった、東南アジアやロシアのトップクラスの才能が集結した。EGの『MDL成都メジャー』での戦いは、今季DPCにおける北アメリカのチームの戦いを占う上で、絶好の試金石となるだろう。

(1) アルトゥール・“Arteezy”・ババエフ
(2) アベド・アゼル・“Abed”・ユソプ
(3) ロマン・“RAMZES666”・クシュナレフ
(4) アンドレアス・“Cr1t”・ニールセン
(5) タル・“Fly”・アイジク


Credit: Beastcoast

Fighting PandaS

 ジャッキー・“EternaLEnVy”・マオが帰還し、寄せ集めチームを率いることになった。チームは地域予選で力強い試合運びをみせたが、『MDL成都メジャー』では世界の強豪を相手に真価を問われることになるが、キャプテンのマオが率いるFighting PandaSは、ファンにとって見ていて面白いチームなのは間違いないだろう。

(1) ジャッキー・“EternaLEnVy”・マオ
(2) ジョナサン・ブライル・“bryle”・サントス・デ・グイア
(3) デイヴィッド・“MoonMeander”・タン
(4) ジンジュン・“Sneyking”・ウー
(5) カーティス・“Aui_2000”・リン


J.Storm captain Clinton “Fear” Loomis.
Credit: DreamHack

J. Storm

 『ザ・インターナショナル2015』の優勝メンバーであるクリントン・“Fear”・ルーミスと、『ザ・インターナショナル2016』の準優勝メンバーであるデイヴィッド・“Moo”・ハルといったベテランが、才能豊かな若手チームを牽引する。北アメリカの予選では、スターミッドレイナーのスメイル・“SumaiL”・ハッサンが率いたQuincy Crewをスイープで下し、『MDL成都メジャー』への切符を手にしている。

(1) デイヴィッド・ “Moo”・ハル
(2) レオン・“Nine” ・キリリン
(3) ブラクストン・ “Brax” ・ポウルソン
(4) ジョエル・モリ・“MoOz”・オザンベラ
(5) クリントン・“Fear”・ルーミス


南アメリカ

Credit: Beastcoast

Beastcoast

 昨季Team Anvorgesaとして『ザ・インターナショナル』で7-8位に入り、南アメリカ最強チームとしての地位を確立したメンバーが主力となっている。今季はBeastcoastの名前で戦う彼らは、すでに『ESL Oneハンブルク』で4位に入っている。このハングリーな集団の調子は、今のところ上向く一方だ。

(1) エクトル・アントニオ・“K1 Hector”・ロドリゲス
(2) ジャン・ピエール・“Chris Luck”・ゴンサレス
(3) アドリアン・“Wisper”・セスペデス・ドブレス
(4) エルビス・Scofield”・デラクルス・ペーニャ
(5) ステーィブン・“StingeR”・バルガス


Credit: Team Unknown

Team Unknown

 この寄せ集め集団は、南アメリカ予選でInfamousやPaiN Gamingといったより成熟したチームを次々と打ち破り、ロワー・ブラケットを勝ち抜いて『MDL成都メジャー』への切符を手にした。大会では世界の強豪を相手に勝利を挙げ、“Unknown”から“Known”な存在へと変貌できるか。

(1) ベルナ・“Berna”・ロッカ・アラルコン
(2) フアン・“Atun”・オチョア
(3) アレクシス・“Greedy”・ベンチュラ
(4) ニコラス・“Wij”・モレノ
(5) セルヒオ・“Prada”・トリビオ



ヨーロッパ

Credit: Alliance

Alliance

 全ポジションに有力選手を揃えるAllianceの新チームは、新星ニコライ・“Nikobaby”・ニコロフがすでにチームの中心となっている。今季すでに『ドリームリーグ・シーズン12』を制し、さらに『ESL Oneハンブルク』でもトップ3に入っているこのヨーロッパの強豪は、ファンを大いに楽しませてくれるはずだ。

(1) ニコライ・“Nikobaby”・ニコロフ
(2) リナス・“Limmp”・ブロムディン
(3) ネタ・“33”・シャピラ
(4) サイモン・“Handsken”・ハーグ
(5) アドリアン・“Fata”・リンクス

Credit: Team Liquid

Team Liquid

 伝説的キャプテン、クロ・サレヒ・“Kuroky”・タクハソミが率いたチームが解散したあと、Team Liquidはすぐさま『ザ・インターナショナル2019』に出場したAllianceのメンバーをまるごと獲得し、今季のDPCに向けた体制を整えた。前チームの穴を埋めるのは容易ではないが、『MDL成都メジャー』は力を試す絶好の舞台となるだろう。

(1) マイケル・“miCKe”・ヴ
(2) マキシミリアン・“qojqva”・ブロッカー
(3) サミュエル・“Boxi”・スヴァン
(4) トミー・“Taiga”・リー
(5) エイディン・“iNSaNiA”・サルコヒ


CIS

Credit: Gambit Esports

Gambit Esports

 Virtus.proとNatus Vincereがチーム編成で揺れるなか、CIS地域の覇権を握ったのはGambit Esportsだった。予選をわずか2敗で通過し、『ESL Oneハンブルク』では2位と好成績を収めた。『MDL成都メジャー』でも勢いを持続できるか注目だ。

(1) キヤルベク・“dream`”・タイィロフ
(2) ダニル・“gpk”・スクーチン
(3) マキシム・“Shachlo”・アボラモヴスキフ
(4) ダニアル・“XSvamp1Re”・アリバエフ
(5) アルティオム・“fng”・バーシャック


Credit: Team Spirit

Team Spirit

 かつてPositive Guysとして活動していたチームは、才能溢れる若手とスキルフルなベテランの融合で、すでにCISのトップチームとしての地位を確立している。この勇猛果敢なチームが、強豪揃いの大会でどのような戦いぶりをみせるか注目だ。

(1) イゴール・“iLTW”・フィラトフ
(2) エゴール・“Ergon”・コズロフ
(3) アンドレイ・“Ghostik”・カディク
(4) アレクサンダー・“Immersion”フメレフスコイ
(5) ミハイル・“Misha”・アガトフ


China

Credit: Vici Gaming

Vici Gaming

 『ザ・インターナショナル2019』では期待に応える結果を出すことはできなかったが、Vici Gamingは今もなお中国最強のチームの一つだ。パン・“Fade”・イィのTeam Aster移籍は痛手だが、代わりにション・ “Pyw”・ジアハンがその穴を埋める活躍をみせている。地元中国の大会では優勝候補の筆頭と目されている。

(1) シャン・“Eurus”・チェンジュン
(2) ゼン・ “Ori” ・ジャオヤン
(3) ゾウ・“Yang” ・ハイヤン
(4) ション・ “Pyw”・ジアハン
(5) ディン・“Dy” ・コン


Song “Sccc” Chun. Credit: StarLadder

Team Aster

 低迷した昨季を受け、今オフはスター・ミッドレイナーのソン・“Sccc”・チュンの獲得に加え、引退するとみられていたパン・“Fade”・イィの獲得にも成功。序盤はスター選手の活躍頼みとなるが、メジャーの舞台でチームの戦い方を確立できるか注目だ。

(1) ソン・“Sccc”・チュン
(2) キー・“ChYuan”・Ng
(3) リン・“Xxs”・ジン
(4) イェ・“BoBoKa”・ジビャオ
(5) パン・“Fade”・イィ

Zhang “Faith_bian” Ruida. Credit: ESL

EHOME

 『ザ・インターナショナル2016』優勝の実績を誇るジャン・“Faith_bian”・ルイダやジャン・“y`”・イピンといったメンバーを揃えるにも関わらず、昨季はTI9への出場を逃してしまったEHOME。オフにはメンバーの再編成を行い、チェン・“vtFαded”・ジア・ハオやタン・“897” ・ジルイといった若い血を入れた。今大会で強豪の仲間入りを果たせるか?

(1) チェン・“vtFαded”・ジア・ハオ
(2) タン・“897” ・ジルイ
(3) ジャン・“Faith_bian”・ルイダ
(4) ジャオ・“XinQ” ・ジシン
(5) ジャン・“y`”・イピン


Credit: BeyondTheSummit

Invictus Gaming

 『MDL成都メジャー』への直接の出場権は逃したものの、Invictus Gamingは『Dotaサミット11マイナー』で圧倒的なパフォーマンスをみせ、大会への切符を掴み取った。この中国とマレーシアの混合チームのリーダーは、『ザ・インターナショナル2017』のファイナリストであるフ・“Kaka”・リャンジだ。『Dotaサミット11マイナー』で好プレーをみせたゾウ・“Emo”・イィも見逃せない。

(1) ジン・“flyfly”・シィイ
(2) ゾウ・“Emo”・イィ
(3) シャイ・ “JT-”・ジュンウェン
(4) フ・“Kaka”・リャンジ
(5) チャン・“Oli”・チョンキエン


東南アジア

Nuengnara “23savage” Teeramahanon snd Kam “Moon” Boon Seng.
Credit: mainstand.co.th/StarLadder

Fnatic

 TI9では13-16位と失意の結果に終わり、さらにスター・ミッドレイナーのAbedがEGに移籍してしまったFnaticだったが、今季は将来性豊かなキャリー、ヌエングナラ・“23savage”・ティーラマハノンを獲得し、さらに元Mineskiのミッドレイナーであるカム・“Moon”・ブーン・センを獲得した。予選ではわずか1敗しかしなかったチームにとって、『MDL成都メジャー』は今季最初の関門だ。チームは期待に応えることができるか?

(1) ヌエングナラ・“23savage”・ティーラマハノン
(2) カム・“Moon”・ブーン・セン
(3) ダリル・コ・“iceiceice”・ペイ・シャン
(4) ジャルデル・ジッコ・“DJ”・マンプスティ
(5) アヌチャ・“Jabz”・ジラウォン


Credit: ESL

TNC Predator

 フィリピン人を主体としながら、ダミエン・“kpii”・チョクやパク・“March”・テウォンといった国外のタレントを獲得したTNCは、すでに今季DPCで最強のチームの一つに目されている。『ESL Oneハンブルク』を制した彼らは、今季最初のメジャーでも優勝を目論む。

(1) キム・“Gabbi”・ビジャフエルテ
(2) アルメル・パウル・“Armel”・タビオ
(3) ダミエン・“kpii”・チョク
(4) ティモシー・“Tims”・ランドルプ
(5) パク・“March”・テウォン


Credit: Team Adroit

Team Adroit

 Team Adroitは『MDL成都メジャー』予選で最大のサプライズとなった。このオールフィリピン人のチームは、Geek FamやTeam Jinesbrusといった実績あるチームを抑えて出場権を獲得したのだ。初のメジャー大会でも世界を驚かせることはできるか。

(1) ジョン・アンソニー・“Natsumi-”・バルガス
(2) マック・ニコルソン・“Mac”・ビジャヌエバ
(3) ジュン・“Bok”・カネハラ
(4) マーヴィン・“Boombacs”・ラシュトン
(5) ブライル・“cml”・アルビソ


The clash at Chengdu will be beginning soon, so be on the lookout for our coverage of the first Major championship of the 2019-2020 season!

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