シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。

 “LowHigh”ことソン・ウン・ユンは『鉄拳』プロシーンではまったく新しい選手で、2016年からプロ選手として闘っている。

彼は短いキャリアにもかかわらず、途方もない成功を収めている。そこには昨年のEvoにて “Qudans”ソン・ビョンムンから勝利した優勝がある。LowHighはシャヒーン使いとして知られ、Qudansの恐るべきデビル仁との試合ではすべてのスキルを見せつけた。

 グランドファイナルはふたりのスキルが拮抗した試合になった。Qudansは最初のセットを3-1で取ったが、LowHighはすぐさま対応し、続くセットではよりアグレッシブにプレイする。シャヒーンの予測できない動きにより、3-0で勝利。初めてのEvoタイトルを獲得する。

 その日LowHighは、レジェンドの領域にいることを証明した。2019年の今、彼は世界で最も優れた選手の一人であることを証明し続けている。


今年の評価

 LowHighはこれまでのところ『鉄拳』ワールドツアーにて非常に良い年を過ごしている。Kneeに次いで2位にランクされている。

 LowHighは3つのカテゴリからポイントを獲得しているが、なんとマスターにて最も大きい600ポイントも得ているのだ。

クレジット: Tekken

 LowHighは今シーズンでまだ優勝はしていないものの、UYUの選手としてVSFightingとROXnRoll Koreaそれぞれで2位を獲得。その他の大会でも一貫して強烈な存在感を放ち、常にトップ8入りを果たしている。

クレジット: Tekken

ROXnRoll Korea (TWTマスター)

 LowHighはカウンターのスペシャリストだ。ROXnRoll Koreaの “チクリン”との対戦で、 ホークエッジによるカウンターヒットを切り口に素早いコンボを展開した。

 LowHighの弱みの一つに、リスクを取ってしまうことがある。カウンターを仕掛ける瞬間、しばしば迅速なジャブやキックに対して無防備になってしまう。最終ラウンドでチクリンはLowHighに激しいパンチを送り込み、致命的な空中コンボで大会を終わらせた。


VSFighting (TWTマスター)

 VSFightingにてLowHighはグランドファイナルでKneeと顔を合わせる。優れた試合を行ない、カウンターの戦略はうまく機能し、『鉄拳』の神はLowHighの攻め手に微笑んだ。

 ここではLowHighは、タイミングに合わせたレイジアーツでラウンドを終わらせ、Kneeの体力バーを完全に削り切った。LowHighはKneeにふさわしい相手であり、最終ラウンドまでずっと互角だった。ただ残念なことに、Kneeは残り一撃で終わる体力から勝利し、LowHighを2位の座に送り込んだ。


Combo Breaker (TWTマスター)

  “Anakin”ことホア・ルーのような強打者に対しても、LowHighはいかにして必要に応じて攻撃を当てていくかを熟知している。今年のCombo BreakerでLowHighは印象深い空中コンボと壁際の攻めを行い、Anakinの体力の半分以上を奪う。


LowHigh、Evoでの闘いは

 『鉄拳』ワールドツアーでLowHighがうまく機能しているため、Evoのトップ8に入ることは間違いない。

 LowHighは今年、あと一歩のところでタイトルを獲得していないが、Evoの王座を守るために貪欲になるだろう。効果的であるカウンター戦略をもう少しセーフティにプレイすれば、彼が『鉄拳7』初めての2年連続チャンピオンになれるはずだ。

 面白いことに、Qudansは2019年の前半を休んだあと、Evoは初の『鉄拳』ワールドツアートーナメント登場になるのだ。昨年のグランドファイナル再戦は観られるのだろうか? そう願っている。

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