シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。

  “Anakin”ことホア・ルーはアメリカ人で初めて『鉄拳7』Evoタイトルを得る最大の可能性を持った選手だ。Anakinはアメリカで最も成功した『鉄拳7』プロ選手であり、常に『鉄拳7』ワールドツアー(以下、TWT)のアメリカ勢力を支配している。

 『鉄拳7』でAnakin最高の年となったのは2016年。Combo BreakerとCommunity Effort Orlandoを連続して優勝したときだ。それ以降、Anakinは韓国の選手が、アメリカにて存在感を広げていく流れに直面する。 “Knee”ことペ・ジェミンのようにレジェンダリーな選手が、アメリカの大会へ頻繁に参加するため、Anakinは王者としての地位を維持するのにもがいているのだ。

 どうあれ、ジャック7使いたるAnakinは2017年と2018年にいくつかの大会で王者となった。面白いことに、グランドファイナルの相手はみんなアメリカ人選手だった。


今年の評価

 Anakinは世界ランク6位であり、トップ10唯一のアメリカ人だ。Anakinのポイントは、TWTポイントシステム3つのカテゴリーすべてから集まっている。マスター、チャレンジャー、そして道場のポイントは拮抗しており、その差は約55ポイントである。

 彼の今年最高の出演はCombo Breakerだ。AnakinはグランドファイナルでKneeに敗れた。

クレジット:Tekken

Electric Clash(チャレンジャー)

 Anakinのプレイスタイルは、ジャック7の遠い距離からの攻撃に大きく依存している。ジャック7は大柄なキャラクターであり、長所と短所がある。ジャック7は距離を保つのに優れたレンジを持ち、堅固な投げ技を備えている。一方でサイズの大きさゆえに空中コンボされやすくなっている。

 今年のElectric ClashでAnakinは、親友であり『鉄拳』レジェンドである “JDCR”キム・ヒュンジンとルーザーズ準々決勝で闘った。Anakinはアーマーキングと距離を保った攻撃を非常に活用していた。


World Showdown of Esports 7 (インディペンデント)

Anakinはやりかえせるチャンスで言葉にならないダメージを与える。World Showdown of Esports 7にて、AnakinはJDCRにすさまじい逆転を成し遂げる。JDCRのレイジドライブをキャンセルし、すぐさま致命的な空中コンボを実行した。


Combo Breaker (マスター)

 Anakin最高の動きのひとつは、彼のデバッグだ。シンプルなレイジドライブかもしれないが、攻撃に織り交ぜることが効果的な戦略だとわかる。Combo Breakerのグランドファイナルにて、Kneeに数回デバッグを当てることができたのだ。


EvoのAnakinはどう闘うか?

 一貫して安全なプレイスタイルと、アメリカの観客の支持を見るに、AnakinはEvo 2019では準々決勝に進出すべきだ。しかし、最高のアメリカ人選手やアウトサイダーたちそれぞれにぶつかることで、厳しい立ち位置になるかもしれない。

 “JimmyJTran” ジミー・トランや“Lil Majin” テレル・ジャクソンといった、他のアメリカ人トップ選手はすでにAnakinのプレイスタイルを熟知している。Anakinは彼らを動揺させるためにも、違った戦略が必要かもしれない。

 韓国と日本のプロ選手については、以前KneeやJDCRのような選手と対戦しているが、馴染みのない対戦相手との試合ではいつもの距離を使った戦略だけではなく、予想よりも早く動揺するかも知れず、相手の戦略を読むことに時間をかける必要がある。