シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。
シリーズのパート1、【ストV】シリーズ「EVO・トップコンテンダーズ」~日本の闘神・ときどはこちらから。
“藤村”はeスポーツの素晴らしいサクセスストーリーを歩む。『ストリートファイターIV』でクリムゾン・ヴァイパーの使い手としてスタートし、2016年に『ストリートファイターV』がリリースされ、 “床ドン”名義でプロへの道へ進んだのは3年前のことだ。
藤村はナッシュを使ってEvo 2016で3位になり、プロのキャリアをスタートを切る。藤村唯一の敗戦はウィナーズ準決勝とルーザーズ決勝のふたつで、“Infiltration”ことリー・ソンウの手中にあった。
2017年のカプコンツアー中に、藤村はメインキャラをいぶきに切り替える判断を取る。
その判断以降、Socal Regionals、 DreamHack Summer、Dueling Dragons Dojoなど、多くの主要な大会で優勝する。続くシーズンでも
Fighter’s Spirit、Stunfest、CEO 2018そしてRed Bull Kumiteで優勝した。
2018年、藤村は “床ドン”名義をやめ、本名をゲーマータグに使うことにする。格闘ゲームコミュニティの、とりわけ韓国において、彼は理路整然としたプレイと機械みたいに完璧なスキルから「ザ・マシーン」と呼ばれている。
わずか3年で『ストリートファイターV』のランクを通過するという、藤村の彗星のような活躍は驚くべきことだった。ほとんどのプロ選手がEvoでトップ8に入ろうとするには、長年の練習と大会の経験が必要になる。なので藤村がプロに転向した最初の年に、それができたことは前代未聞なのである。
今年の評価
藤村は初めてのEvoトロフィーを獲得するために、今年はまさに彼の年になるかもしれない。現在のCPTシーズンで1645ポイントを獲得。4位についている。
FV X SEA Major(CPTランキングイベント)
藤村は3月に開催されたFV X SEA Majorで、今年初のCPT大会を収める。ウィナーズ決勝で、ときどを3-2のスコアで破るが、グランドファイナルにときどは戻り、ギリギリ3-2のスコアでルーザーズをリセットする。
しかし藤村は立て直し、大会優勝のために最終セットを3-1で取ったのだ。
Taipei Major (CPTランキングイベント)
続いて、藤村は6月にTaipei Majorで優勝。グランドファイナルにて3-2のスリリングなスコアで “ふ~ど”を撃破する。藤村は絶好調で、大会を通して1セットも落とさなかった。
また、藤村は大会でいぶき使いでより有名な選手、“Xian”ホ・クンシャンを上回ることができた。藤村はとてつもない瞬間での空中攻撃をブロックし、風馬手裏剣を飛び越え、反撃した。
藤村はさらに、日本のトップ選手である “ボンちゃん”を撃破する。信じがたい逆転劇を2度行い、いぶきの驚くべき攻撃力を白日の下に晒した。
Fighter’s Spirit (CPTランキングイベント)
Taipei Major後の週末、藤村は韓国へ飛び、Fighter’s Spiritにて日本の闘神の一人、ときどを破って優勝を果たした。藤村は3-2セットの僅差で最終セットを獲得したのだ。
グランドファイナルでは、いかに藤村が危険な状況から残酷に打ちのめすプレッシャーが大きいかが観られた。藤村には相手の動きを読む力があり、この試合で彼がどれだけ恐ろしいかを示した。
CEO (CPTプレミアイベント)
Evoの前に藤村が最後に参加したCPTイベントがCEOだ。ここではボンちゃんに敗北し、2位に終わった。藤村は完璧なタイミングのクラッシュカウンターを活用することで、最初のセットの最終ラウンドにてルーザーズをリセットすることができた。
藤村と闘う相手はなんでも準備ができているはずだ。ボンちゃんとの試合で、起き攻めで中キックを放ち、ボンちゃんの攻撃に応じた。これはたやすく相手を試合で終わらせる可能性のある動きだ。
ボンちゃんとの試合では、藤村は大事なラウンドを勝ち取るVトリガーと複合した攻撃を生かす技量を見せた。
藤村のEvoはどうなる
藤村は初のEvo優勝に飢えている。世界のトッププレイヤー、特にときどに対して良い戦績を残している。しかし今年1年で“Woodley”ことヴィクター・パンクに当たっていないため、試合はどうなるかは謎だ。
藤村はEvo 2013チャンピオンであるXianに注意すべきだ。Xianはウィナーズ準々決勝で当たる可能性があるいぶき使いである。またふ~どにも当たるかもしれず、レインボーミカが生き残るのを難しくさせるかもしれない。
藤村がウィナーズに残れれば、準決勝でときどに、そしてさらに決勝でPunkにあたる可能性がある。これはすべての『ストリートファイターV』ファンが見たがる試合だ。
今年の藤村の実績を振り返ると、トロフィーケースにEvoタイトルを追加するすごい位置にいる。簡単な準々決勝への組み合わせにはいないものの、少なくともトップ6に入ると見ている。