シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。

 いまさら“ときど”を紹介する必要もないだろう。だけど新たに格闘ゲームコミュニティへ加わった人向けに、「マーダーフェイス」と呼ばれる男について知っておくべきことは次の通りだ。

 ときどは2017年のEvoで優勝し、2018年と2013年では準優勝している。2002年の『Capcom Vs SNK 2』ではEvoのトロフィーを勝ち取り、2007年に『スーパーストリートファイターIIターボ』でも優勝している。

 彼は「日本の格ゲー5人の闘神」のひとりだ。史上最高の格闘ゲーム選手のひとりだとも広く考えられている。

 ときどは豪鬼使いの代表的な選手であり、豪鬼における数多くのテクニックや一連のコンボを生み出している。圧倒的なプレッシャーに加え、アグレッシブなコンボで相手を追い詰め、リカバーするチャンスも与えず、必要とあらば教科書通りの飛び道具で制空権を取る試合運びもできるのだ。

 そしてときどは、試合中の殺意に満ちた表情でも知られている。

ときどの “マーダーフェイス”
クレジット: Mad Catz

今年の評価

 今年のときどはトップの位置におり、現在CPT世界ランクは2145ポイントの2位に位置し、 “Punk”ビクター・ウッドリーに続く。


NorCal Regionals 2019(CPTプレミアイベント)

 ときどは3月のNorCal Regionals 2019にて、ルーザーズから勝ち上がり、Punkから最初のセットを奪い、最後のセットで3-2のスコアでスリリングな勝利を収めた。

 試合では、ときどの豪鬼がどんな相手でも倒せることを見せつけ、おそらく今年最高レベルの中~至近距離からの飛び道具による試合展開を披露した。さらにグランドファイナルでPunkに対し2度の瞬獄殺を決め、対戦相手をほぼテレパシーで読み切る力を見せつける。


Saigon Cup (CPTランキングイベント)

 続いてときどはベトナムのSaigon Cupで優勝。 “ジョン・タケウチ”をグランドファイナルで破る。ルーザーズから闘い、最初のセットを3-1で取り、好調な出だしとなった。

 第2セットでは少々近く、トーナメントを決するため1ラウンドとなった。ときどはジョン・タケウチに素早くプレッシャーを決してやめず、確かにラウンドを勝ち取り、今年最初のCPTランキングイベントを制した。


Game Over (CPTプレミアイベント)

 それからときどはドミニカ共和国でのGame Overトーナメントで“Phenom”アーマン・ハンジャニを3-0で下す。

 豪鬼は体力の低いキャラとして知られているが、ときどはオフェンスの素質をマスターし、ダメージを受ける可能性を最小にする。豪鬼を完璧に仕上げ、 “Menard”サウル・セグンドに対しては挑発さえやってみせた。挑発はMenardが準備できていないときにやりはじめ、それからラウンドを終わらせるコンボに組み替えた。


ときどは今年のEvoでどうなる?

 ときどはEvo優勝候補のひとりだ。しかし彼は日本人プロ選手の “藤村”に注目すべきである。ふたりは準決勝で当たるだろう。

 ときどはFighters Spiritのグランドファイナルにて藤村に完勝したが、今年のSEA MajorやFighter’s Spirit、そしてCEOにて藤村がときどを破っていることで、豪鬼vsいぶきに苦しんでいることは明らかだ。

 また2013年のEvoでチャンピオンとなった “Xian”クン・シャン・ホにも警戒すべきだ 。ウィナーズ準決勝でも対戦する可能性がある。

 どうあれ、ときどはいつものようにEvoでベストを尽くし、常にタイトル奪取を狙う脅威となる選手だ。彼は試合のペースを決定づけ、そのプレイスタイルは相手を自分のやることへと引きずり込む。だけどそれは自分の大事な調整をできないということじゃない。

 彼はプレッシャーを受けない選手でもある。なぜなら長い間トップで闘ってきたからだ。ときどは少なくとも、今年のEvoをトップ3で終えると見ている。

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