シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。

 “Punk”ことビクター・ウッドリーはわずか20歳であり、CPTでもっとも若いプロの一人にもかかわらず、すでに『ストリートファイターV』シーンのトップへと躍り出ている。Punkは2016年にRed Bull Battle Grounds 2016で3位に入賞したのを皮切りに、実力あるプレイを見せ始める。

 2017年、Punkは初のメジャー大会となるNorCal Regionalsで優勝。 さらにNECWinter Brawl、 West Coast WarzoneDreamHack Austin、 そしてELEAGUEでも優勝していく。PunkはEVO 2017の優勝候補のひとりと目されていたが、 最終的に決勝で“ときど”と戦うことはなかった。

 2017年の後半、Punkは引き続き、アメリカの競技シーンを支配。Absolute BattleEast Coast Throwdown、 Northwest Majors、そしてRed Bull Battle Groundsで優勝する。

 Punkの急速な成功によって、多くの日本人プレイヤーの意識に彼のプレイスタイルがつきまとうこととなった。ほとんどのプレイヤーは、Punkをトーナメントで最強の相手だと考えている。

 試合でのスキルに加え、Punkはその性格の良さでも知られている。他の選手とトラッシュトークをしたり、試合中に相手を挑発したりすることはない。彼はしばしば自らをThe Alphaと呼び、どれほどの自信があるかを示している。


今年の評価

 現在のCPTランキングをベースにすれば、Punkはまだまだ世界最高のマージンを持っている。今シーズンは3,195ポイントを獲得しており、ある時には2位、3位、それから4位のグローバルポイントを合わせたより多くのCPTポイントを獲得したほどだ。

 Punkはおそらく、これまでのCPTでベストであり、最高潮のシーズンを過ごした。



Final Round  (CPTプレミアイベント)

 Punkは “ももち”から決勝ラウンドで勝利。3-0のスコアでルーザーズから打ち破る。それからトーナメントの最終セットでは3-1のスコアを奪った。

Combo Breaker (CPTプレミアイベント)

 今年のCPTシーズンにおける、トーナメントでのPunkのベストパフォーマンスはコンボブレーカーだった。Punkは親友の“Problem X” ベンジャミン・サイモンとぶつかるまで、すべての相手を一掃した。

 Problem Xがベガの代わりにアビゲイルを使ったことで、Punkは不意を突かれてしまう。結果、Problem Xはあっさりとルーザーズからの借りを返す。その後、Punkはそれに合わせていき、最終セットは3-0で勝利を収めた。

DreamHack Dallas(CPTプレミアイベント)  

 Punkはその後、DreamHack Dallasのトーナメントで優勝。ここでは前のトーナメントと比べ、才覚ある選手をフィーチャーしていなかった。

 Punkがグランドファイナルで“ HotDog29” イェ・マン・ホと対戦。3-1のスコアから その後Punkはすぐに、最終セットでは3-0のスコアでトーナメントを終わらせた。

Evoでどうなるだろうか?

 PunkはEvoのタイトルをいまだ獲得していないトップコンテンダーだ。2017年、ときど戦を2位になったあと、2018年は49位~64位でトーナメントを終え、期待外れのパフォーマンスだった。

 Punkが持つ『ストリートファイターV』の才能に疑問を呈する人間はいない。実際に彼が参加するトーナメントではいつだって優勝候補なのだから。その事実は、Punkにも圧倒的なプレッシャーを加える。

 Punkは疑いようもなく、世界最高のかりん使いであり、反応速度、ミスを突く力、マシーンのように正確なスキルで有名だ。

 さらに、Punkはある種の神秘性があるようで、対戦相手は闘っているとき、しばしばPunkに対し思い詰めてしまう。そこで単純なミスを犯す。こうした点もPunkが試合に勝つための、十分な利点だ。

 Punkが今年優勝することを期待している。2019年のCPTシーズンにおける、信じられないスタートから、彼の操るかりんは『ストリートファイターV』で最も幅の広いキャラクターであり、Evoでの最高の選手なんだと信じている。