シリーズ 「EVO・トップコンテンダーズ」は、Evo 2019で競い合うトップ選手たちを紹介する企画であり、これまでの歩みから、彼らの強みや弱み、そして最大の格闘ゲームトーナメントたるEvoで、果たして勝ち残れるかを見ていくものだ。

  “Knee”ペ・ジェミンとは、『鉄拳』の世界における絶対的な力である。『鉄拳3』以降、Kneeは韓国『鉄拳』シーンで、同じく韓国のプロ選手である “JDCR”キム・ヒュンジンと共にトップを続けている。

 しかし、「鉄拳の神」だと評されるにも関わらず、Kneeは常にオールスターの選手というわけではなかった。2017年はおとなしいシーズンを過ごし、チャレンジャーの大会であるAbuget Cupのみ優勝している。

 ところが「鉄拳の神」は2018年に反動で大きく動く。Kneeが参加した11大会の内、8つ優勝する。それ以外3つの大会でも、最低順位は3位をつけている。

 おもしろいことに、Kneeはいまだにメインの『鉄拳』シリーズでEvoのチャンピオンを獲得してはいない。『鉄拳タッグトーナメント2』で2013年のEvo優勝を飾ったが、『鉄拳7』ではEvo2016と2017の両大会で“ Saint” ことチェ・ジヌに敗れている。

 Evo2018では、Kneeは家族との休暇が大会時期と重なったため、不参加となった。


今年の評価

 Kneeは今年トップの地位にあり、現在マスターズ大会で3つの1位フィニッシュを含んだ、1175ポイントで世界1位にランクされている。

クレジット:Tekken

VSFighting(TWTマスター)

 Kneeの直近の勝利はVSFighting 2019で、3連続で無敗のTWTの優勝を飾っている。 “LowHigh”ことユン・スンウンはグランドファイナルに近づいていたが、Kneeは神がかった『鉄拳7』スキルを磨き、Kneeを美麗なスローモーションによるクラッシュで終わらせたのだ。


CEO: Daytona (TWTマスター)

 KneeはCEO: Daytonaのグランドファイナルでおなじみの相手、ROX Dragonsの一員である “Chanel”カン・ソンホと闘った。Kneeは友人であるChanelを楽にはせず、CEO 2019を完璧なラウンドで終え、友情さえも彼の優勝を妨げないことを示したのである。


Combo Breaker (TWTマスター)

 Combo Breaker 2019はKneeにとって大きな優勝となった。2019年で最初の優勝だったが、他の大会と比べてCombo Breakerは簡単ではなかった。

 グランドファイナルにて、Kneeはルーザーズから上がってきたアメリカ人トップ選手である “Anakin”ホア・ルーと闘い、最初の2試合を制する。勝利の寸前で、Kneeはデビル仁から多くの持ちキャラのひとりであるポールに切り替える。

 Kneeの優れた強さのひとつに、すべて高レベルでプレイできる複数の持ちキャラがある。Anakinとの試合でポールへの切り替えは効果的だった。Kneeは筆舌尽くしがたい逆転を見せ、最後には勝利への希望を与える。

 Kneeは最終ラウンドはAnakinに勝利し、素晴らしいタイムアウトのラウンドでCombo Breaker 2019を終えた。


鉄拳の神はEvoでどう動く?

 今年のTWTにおける、信じられないほどのパフォーマンスを見るに、Kneeが初のEvo優勝を止めるものは何もない。

 唯一の懸念は、パキスタンの驚異である“Arslan Ash”アルスラン・シディケであり、今年Thaiger Uppercutの大会でKneeを破っている。Arslan Ashはトップクラスの韓国人選手からアップセットすることで有名であり、彼の使う三島和美はグランドファイナルでKneeのデビル仁を終わらせることに問題が無く、3-0で決定的な勝利を上げている。

 それでもやはり、KneeはEvoのフィールドでは難しくはないはずであり、少なくともトップ3にたどり着くと見ている。

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