バンダイナムコは、年内に開催が予定されていた全てのオフライン大会へのサポートを中止することを発表した。同社が毎年開催している『鉄拳7』『ソウルキャリバーVI』『ドラゴンボール ファイターズ』のワールドツアーなどが対象となる。

 発表はバンダイナムコの公式ツイッターアカウントで投稿された。

 新型コロナウイルスによるパンデミックが依然として世界中に大きな被害をもたらしている状況の中、健康や安全面の懸念からバンダイナムコは今回の決断に至った。

 バンダイナムコはサポートを中止しつつ、「各大会の主催者はオフライン大会の開催を選択することも可能」だと述べている。プレイヤーやファンたちに向けては、「各自の現地参加に関して最善の判断を取ってほしい」と促した。

 だが格闘ゲームコミュニティーはそれほど落胆する必要はないかもしれない。バンダイナムコは「年内にオンライン大会開催の形を調整中」であるとも発表している。

 オンライン大会への移行については、CAPCOMやEvoも同様の決断を下した。プレイヤーやファンや大会主催者らを守るため、毎年開催してきた公共の場でのライブイベントではなく、世界的な仮想舞台上で大会を続行することを両社ともに決めている。

 当面の間は主要な格闘ゲーム大会がことごとくオンライン形式へ移行する状況の中で、コミュニティー内では一部のゲームで用いられるネットコードシステムの脆弱さが特に不安視されている。『ドラゴンボール ファイターズ』にGGPOロールバックネットコードを導入してほしいというオンライン署名活動も行われ、これまで3700人の署名が集まっている。

 GGPOネットコードは、正確な入力やフレーム単位の完璧な操作が求められるようなハイペースでTwitch向けのゲームで生じるネットワーク遅延を巧みに隠すことを可能としている。このロールバックネットコードシステムではオンライン対戦中に入力予測を行い、その入力を即時にゲームへ送ることで、ネットワーク遅延をゼロに見せかけることができる。

 格闘ゲームコミュニティー内では、現在のオンライン格闘ゲームに用いられるネットワーク伝送システムとの比較の上で、ロールバックネットコードシステムが好まれている。前者は通信の遅さを埋めるためプレイヤーの入力にディレイを加えるものであり、オンラインプレイにラグが生じる場合が多い。