サンフランシスコ・ショックが完璧なシーズンを締めくくった。史上初となるパーフェクトステージを披露したうえ、グランドファイナルではバンクーバー・タイタンズを圧倒した。

 ショックは1回戦でアトランタを相手に『オーバーウォッチ・リーグ(OWL)』史上最悪ともいえるC9(ポイントを守るのを忘れて相手にポイントを献上する凡ミス)を犯したものの、その後はグランドファイナルまで16枚連続でマップを制した。

 ショックはミスを繰り返すことなく、その後は敗者トーナメントを破竹の勢いで駆け上がり、その過程で昨季王者のロンドン・スピットファイアのほか、ロサンゼルス・グラディエイターズ、杭州スパーク、ニューヨーク・エクセルシオールを4-0のスイープで一蹴してみせた。

 一方のタイタンズは苦しみながらグランドファイナルへと勝ち上がった。ソウル・ダイナスティとグラディエイターズを相手には4-2と苦戦し、勝者トーナメント決勝はエクセルシオールを相手に4-3と接戦となった。

マップ1: 漓江タワー(コントロール)

 両チームともにドゥームフィスト、リーパー、モイラ、ルシオ、シグマ、オリーサを使ったミラーマッチとなり、今季のMVPジェイ・“Sinatraa”・ウォン(ショック)と、今季の新人王キム・“Haksal”・ヒョジョン(タイタンズ)はともにドゥームフィストを使った。

 ショックはメテオストライクで主導権を握るも、目標を93%確保した時点で、タイタンズに奪われてしまう。しかしショックはすぐさま目標を奪い返し、あっさりと第1ラウンドを制した。

 タイタンズは第2ラウンドで巻き返し、Haksalがドゥームフィストを使って絶品のプレーを披露した。

 しかし タイタンズは確保率65%でショックに目標を奪われると、その後は目標をお互いに奪い合う展開が続く。最後にはショックが目標を確保し、シリーズを1-0でリードする。

マップ2:アイヒェンヴァルデ(エスコート)

 ショックはDPSコンビのキム・“Rascal”・ドンジュンとパク・“Architect”・ミンホを起用。先攻の彼らはバスティオン、アナ、バティスト、シグマ、オリサを選択した。

 ショックは攻撃フェーズで圧倒し、一つもシングルチームファイトを落とすことなく、2分49秒を残して勝利を収めた。

 一方のタイタンズも攻撃フェーズでは大方の予想を覆してほぼ完璧なプレーを披露し、こちらも2分47秒を残して勝利した。

 ところがタイタンズは次の攻撃で振るわず、ショックのRascalがファラに切り替えると、リー・“Twilight”・ジュソクのアナは、それに対抗するのがやっとだった。

 それにもかかわらず、タイタンズは堅い守備のおかげで、ショックの攻撃をなんとか抑えて善戦することができた。しかしショックは延長戦で状況を打開し、チョ・“ChoiHyoBin”・ヒョビンのシグマが繰り出したグラビティック・フラックスがTwilightを倒し、最後はRascalのファラが仕留めた。


マップ3:テンプル・オブ・アヌビス(アサルト)

 ここでショックは、先発のDPSデュオ、Sinatraaとクゥオン・“Striker”・ナムジュを再び起用。

 スタートダッシュに成功したのはタイタンズで、Haksalとチョ・“JJANU”・ヒョンウのシグマが好プレーをみせ、残り1分34秒で両方の目標を確保した。

 ショックは最初の攻撃フェーズで苦戦し、延長戦で目標Aを確保するのがやっとだった。しかし、目標Bに対しては、タイタンズが準備を整える前に強襲し、最初のトライで確保。2分12秒を残してラウンドを制した。

 タイタンズは2回目の攻撃フェーズで目標Aを確保したが、目標Bを奪う前に時間切れとなった。

 一方のショックは2回目の攻撃フェーズで目標Aをあっさりと確保すると、SinatraaのドゥームフィストとStrikerのリーパーが見事なプレーをみせ、残り時間を1分以上残して目標Bを確保した。

マップ4:ウォッチポイント:ジブラルタル(エスコート)

 ショックはDPSをローテーションするパターンを続け、4つ目のマップで RascalとArchitectを復帰させた。彼らは再びメイとバスティオンのコンビを使って、1分52秒残しでマップを制した。

 敗北が間近に迫ったタイタンズは、生き残りのためには奇跡的なアタックを連発するしかなくなった。

 タイタンズは健闘し、残り2分であっと一歩というところに迫ったが、ChoihyobinのシグマとArchitectのバスティオンが守る最後のチェックポイントを奪うことができなかった。

 タイムアップが迫るなか、グラント・“moth”・エスペがArchitectの前にアンプリフィケーション・マトリックスを展開し、Architectはそれを利用してタイタンズを銃弾の雨にさらした。

 タイタンズは時間内にペイロードに戻ることができず、Rascalが築いたメイの防壁が決定打となり、ショックが優勝を手中に収めた。これで彼らは今大会20枚連続でマップを制したことになり、さらにプレーオフでの5つ目のスイープというオマケ付きだった。

 シグマで見事なプレーを披露したChoiHyoBinがグランドファイナルのMVPを獲得。DPSのコントロール/アサルトマップにおける活躍を促した点が評価された。

 この勝利により、ショックは賞金110万ドルを獲得。タイタンズは60万ドルを持ち帰った。

 ショックとタイタンズはシーズンを通して圧倒的な強さを証明してきたが、ショックはグランドファイナルでの他を寄せ付けないパフォーマンスによって、彼らが現在世界最強のチームであることを満天化に知らしめた。