ONE EsportsはREV Major 2019 で、『鉄拳7』プロ選手の“ RR Asahina” ことアレクサ・ガブリエルとFGC(※ Fighting Games Community、格闘ゲームコミュニティの略称)にてトランス女性であることについてチャットする機会を得た。以下、RR Asahinaはこう語ってくれた。

――『鉄拳』を始めたきっかけはなんでしょうか。

 私は6人と従兄弟たちと育ったんです。みんなは海兵隊や軍隊に所属しています。従兄弟たちとはいつも格闘ゲームを遊ぶんですけど、私だけ仲間外れにされて、「このゲームは女の子向けじゃねえよ。」、「男性向けのゲームなんだって」って言われちゃって。これは『鉄拳5』の頃の話で、「みんなに何がわかるんだ。このゲームをやってやるよ!みんなのケツを引っぱたいてやるからな!」って遊び始めた感じですね。

――どうして『鉄拳』のプロ選手に?

 最初は、トーナメント(REV Major)自体をサポートしたい思いがありました。それから私は、FGCのやることを本当に尊敬しているんです。コミュニティが広がっていくのを見たいんですよ。そしてもちろん、自分の力も試したかったからですし、私自身を出していきたかったんです。REV Major 2019は私にとって3回目の大会で、初めて出場したのはPPGL、二度目はREV Major 2018でした。


REV Major 2019メインステージでのRR Asahina
スクリーンショット: Kristine Tuting/ ONE Esports

――トーナメントに参加する数少ない女性プレイヤーの一人として、REV Majorのような大きな大会でプレイするときに出会う偏見はありますか?

 簡単にナメられます。本当に。たとえばファンの一人が『鉄拳』のFacebookグループで私のストリーミングをシェアすると、どこからともなくプロ選手が「オーマイゴッド、連打するなら(下ネタなので省略)にしろ」みたいなことをコメントしてくるんです。ストリーミングをしていると、いつも「何だこれ?女の子が本当にやってるのか」ってコメントに驚きますし。

――尊敬する選手はいますか。

 FGCは男性が支配的なので、REV Major 2019にいるだけで、ちょっと怖くて難しいですね。みんな「あの子はここでなにしてるんだ?」って見てきますけど、私やかよさん(「かよぽりす」こと佐藤かよ)、リッキー・オルティスさん(HelloKittyRicki)、それからエイサー・スカーレットさん(サーシャ“Acer Scarlett” ホスティン)など本当にたくさんの女の子がいるけれど、ここではその存在を殺しているから、私たちには私たちの場所が必要なんです。


――これまでトーナメントではどうでしたか。

 私はさっきまでREV Majorのメインステージにいたんですよ。対戦相手の“Rmac”レンツ・マッケイはとても冷静で、彼と話していたら、私は日本人とのハーフなのもあり、本当に大きくリスペクトしてくれました。ですがRmacは「まあ俺は余裕だけど」ってオーラを見せていて、私が勝つことを考えてもいなかったんです。それはそれで良くて、 Rmacは 「オーマイゴッド、君は強いよ」みたいなことを後で話してましたね。

 実際のところ、FGCで女の子であることは諸刃の剣で、初めからナメてかかってくるので「何がわかるんだよ?やってみろよ。」って打ち負かすんです。

――もしも『鉄拳』のプロ選手ではなかったら、なにをしていましたか。

 ファッションモデルと広告印刷で働いていました。私は多くのブランドアンバサダーでもあります。私はビデオゲームに情熱を傾けていて、もし『鉄拳』ではなければ別のゲームでプロになっていたと思います。

――最後になります。男性が支配的な業界で、トランス女性のゲーマーであることにどう考えていますか?

 私が思うに、ビデオゲームの素晴らしいところは、ほんの数分のあいだ、あなたはあなたではなくなり、あなたが操作するキャラクターになれることです。だからこそ、ビデオゲームは逃げ場になるため、中毒にもなるのです。

 3分のあいだ、私はリリであり、そしてエリザでした。私にとっては性別は大事ではありません。あなたは自分が望むキャラクター、自分が望むもの、自分が見たいものになれるのです。ビデオゲームでは、私たちは平等なのです。

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