二度の『The International(TI)』王者のヨハン・“Notail”・サンドスティーンが、『Dota2』でのキャリアを終えたあと、環境保全家に転身する意向を表明した。

 Notailは母国デンマークの『Sport TV2』でのインタビューで、環境保全は「すべての人々の責任」だと語った。

「いつか環境のためになにかできたらいいなと思っている。世界の気温は急上昇しているので、その戦いに身を投じようと考えている。地球と母なる自然を守る兵士になるんだ。僕にはいくつかの計画とアイデアがある」

 Notailがマウスとキーボードを脇において、ゲーム界から離れるのもそう遠くない未来のことかもしれない。プロゲーミングチーム『OG』のキャプテンは、史上最高の『Dota2』の選手とみなされており、8月にはチームを二度目のTI王者へと導いた。選手としてはもうこれ以上達成するものはないといっていい。

「来年になったら、なにか別のことを始めるかもしれない。最近では、様々なものに恩があると感じるようになってきている。もし地球温暖化を見過ごせば、自らを恥じることになるだろう。僕たちのあとに続く幾世代にとっても影響のある問題だからね。それは自らに課さなければいけない義務だと僕は感じている」

 Notailが引退するとなれば、『Dota2』の世界には、特に『OG』のファンを中心に激震が走るだろう。Notailであればこれからも賞金数百万ドルを手にするはずだ。しかし、Notail自身はすでにEスポーツ史上最高となる通算賞金680万ドルを稼いでおり、お金にはあまり価値を置いていない。

「人生を通して、心を開けるよき友人に恵まれてきた。それでもお金の話になると、愚か者になってしまうかどうかは紙一重だった。僕はその退屈な側面もみてきた。経済や財産には興味がないんだ」

 それでも、Notailはもう一つ「王者のイージス(盾)」を自らの経歴に加えることにやぶさかではない。「TIを3度制覇したい。指輪(優勝)はすでに二つある、だから次の大会で3つ目を手にしたいね」と来季も勝利のために全力を尽くすことを誓った。