『WePlay!タグ・オブ・ウォー:マッドムーン』のグランドファイナルズが開催され、ニグマ・Eスポーツがチーム・シークレットを相手に0-2のビハインドから逆転するリバース・スイープを達成し、今季初タイトルを手にした。

 『ザ・インターナショナル2019』の準優勝チームは、グランドファイナルズの最後の3試合をいずれも27分以下で制し、賞金13万ドルを持ち帰った。

 一方、優勝候補の筆頭として大会に臨みながらも、2位に終わったチーム・シークレットは、6万ドルの獲得にとどまった。

 今季最高のグランドファイナルズの一つとなった試合を振り返ろう。


ゲーム1

 シークレットはドラフトフェーズで、終盤戦を見据えてラッセ・“Matumbaman”・ウルパライネンにフェイスレス・ヴォイド、ミハル・“Nisha”・ヤンコウスキにモーフィリングを選択。さらにルドウィグ・“zai”・ワールベリにはネクロフォス、ヤツィエド・“YapzOr” ・ジャラダトにはルービック、クレメント・“Puppey”・イワノフはスナップファイアを選択した。

 一方、ニグマはミッドゲーム重視のヒーロー選択を行い、アメル・“Miracle-”・アルバルカウィにスヴェン、アリウィ・“w33”・オマルにパック、イヴァン・“MinD_ControL”・イヴァノフにティンバーソー、マロウン・“GH” ・メルヘジにイオ、クロ・“KuroKy”・タクハソミにチェンを選択した。

 レーニングフェーズはニグマが主導権を握り、12分には早くもシークレット陣内の奥深くにまで攻め込んだが、シークレットは見事な立て直しをみせて相手のスノーボールを阻んだ。

 ニグマがシークレット陣内での攻撃を断念するとともに、試合はスローダウンしていく。このあと、MatumbamanとNishaの活躍がシークレットに勢いを与えはじめると、30分に最初のバラックを陥落させた。

 ニグマのミッドゲーム用のチームが機能停止に陥るなか、シークレットがチームファイトで圧倒し、37分で勝利へと持ち込んだ。

 Nishaは14-3-12 KDA(キル・デス・アシストの略)を記録し、チームを勝利へと導いた。


ゲーム2

 ゲーム2に向けて、ニグマはMiracleにライフスティーラー、w33にリナ、MinD_ControLにダーク・シーア、GHにイオ、Kurokyにニクス・アサシンをドラフト。

 一方、シークレットはMatumbanにジャガーノート、Nishaにバトライダー、zaiにティンバーソー、YapzOrにルービック、Puppeyにエンチャント・アッパリションを選択した。

 レーニングフェーズはシークレットが優位に進めているかにみえたが、ニグマがミドルレーンで2-3のトレードに成功すると、形勢は一気に互角となる。しかし22分のビッグファイトを制すると、試合の流れは一気にシークレットに傾いた。

 ニグマはシークレットのティンバーソー&バトライダーのコンビに対抗できず、zaiの突進によってフリーになったNishaにバックラインを蹂躙されてしまう。

 ニグマは多大な犠牲を払ってシークレットの第一波を退けるが、結局30分の時点で降参へと追い込まれた。

 Nishaは再び輝かしいパフォーマンスを披露し、バトライダーで13-0-17 KDAのパーフェクトを達成。これでシークレットが2-0と優勝に王手をかける。



ゲーム3

 シリーズを締めくくりたいシークレットは終盤戦をにらんでMatumbamanにモーフィリング、Nishaにクンカ、オフレーンでは3試合連続でzaiにドラゴン・ナイト、YapzOrにルービックを選択し、Puppeyにはエルダー・タイタンを選択した。

 一方、ニグマはミッドゲーム重視でMiracleにレシュラク、w33には代名詞となっているアウトワールド・デヴォウアー、MinD_ControLにビーストマスター、GHに3試合連続でイオ、そしてKurokyにはオラクルを選択した。

 ニグマは相手のビルドアップの遅さを突いて、序盤にマップ全域を一気に支配すると、w33がアガニム・スケプターを獲得してその後は圧倒。これによってアビリティ「アストラル・インプリズンメント」がパワーアップし、攻撃オプションが増えたことによりチームは俄然優位になる。

 ニグマはMatumbamanのモーフィリングをとらえ、これをきっかけにシークレット陣内に攻め込むと、24分で最初のバラックを陥落させた。シークレットのラインアップはこの時点でほぼ無力化しており、w33がトリプルキルを達成すると、26分に降参へと追い込まれた。

 ニグマのコア・デュオであるMiracleとw33は合わせて17キル(チーム全体では20)を達成。シリーズ初勝利を手にしたニグマが反撃の狼煙を上げる。


ゲーム4

 ニグマはゲーム4でもミッドゲーム重視のヒーロー選択を行い、Miracleにライフスティーラー、w33にレイザー、MinD_ControLにアンダーロード、ポジション4のGHにスラーダー、そしてKurokyにチェンを選択した。

 一方のシークレットはMatumbamanにスラーク、Nishaにトロール・ウォーロード、zaiにダーク・シーア、ポジション4のYapzOrにタイニー、Puppeyにオラクルを選択した。

 ニグマは再び素晴らしスタートを切り、Nishaとzaiを封じ込め、序盤からスノーボールを開始する。シークレットはMatumbamanが14分までに7キルを達成するが、ニグマが21分にミッドレーンのバラックを破壊するのをなすすべなく見守った。

 シークレットは必死の守りをみせるが、ニグマのヒーローはもはやアンストッパブルな存在となっており、結局シークレットは26分で降参。勝負の行方は最終戦に持ち込まれることになった。


ゲーム5

 完全に勢いに乗ったニグマは最終戦もミッドゲーム重視のドラフトを行い、Miracleにフェイスレス・ヴォイド、w33にレシュラク、MinD_ControLにケンタウロス・ウォーランナー、GHにニクス・アサシン、Kurokyにウィンター・ワイバーンを選択した。

 一方、シークレットもこれに対抗し、Matumbamanにライフスティーラー、Nishaにタイニー、zaiにパンゴリエル、Puppeyにシャドウ・デーモンと、こちらもミッドゲーム重視のドラフトを行った。

 ニグマはまたもレーニングフェーズで圧倒し、苦戦するシークレットを尻目にすべてのレーンを制してみせた。まったく振るわないNishaは、シークレットのプレーメイカーとしての役割を果たせず、ブリンク・ダガーを手にしたのも18分が経過してからだった。

 ニグマはなすすべなく軍門に下ったシークレットのベースを蹂躙し、26分で相手を降参へと追い込んだ。

 MiracleとKurokyがそれぞれ8キルを達成し、ニグマを見事なリバーススイープへと導いた。

 『ロサンゼルス・メジャー』と『スターラッダー・キエフ・マイナー』への出場を逃したニグマにとって、世界最高のチームの一つとみなされるシークレットを下しての優勝は、非常に満足のいく結果だったはずだ。

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