元ロイヤル・ネバー・ギブアップ(RNG)のボットレイナーであるジアン・“Uzi”・ジハオが、深刻な健康問題を理由に23歳の若さでのプロフェッショナル引退を正式発表した。ウェイボーの個人アカウントで明らかにしている。

 Uziの投稿によれば、肥満や不規則な食生活、ストレス、連夜の夜更しなどが原因となり、昨年2型糖尿病と診断されたとのことだ。過去6ヶ月間にわたって生活の変化に取り組んできたが、健康状態が改善することはなかった。

 Uziは過去数年間にわたって腕と背中の負傷にも苦しみ、プロ選手としての能力に支障が生じていた。昨年9月のナイキLPLドキュメンタリーの中では、「医者によれば僕の両腕は40歳か50歳のもの」だと話していた。

 『2020 LPLスプリング・スプリット』ではRNGの選手として登録されていたUziだが、全く競技に参加することはなかった。

 Uziは15歳だった2012年にロイヤル・クラブでプロキャリアをスタートさせは、当時最高のADキャリーだとされていた元WEのガオ・“WeiXiao”・シュエチェンをも上回る存在だと評された。

 ロイヤルでは2013年と2014年の世界選手権で2位フィニッシュ。LCKのチームであるSKテレコムT1とサムスン・ホワイトに敗れる結果となった。

 その後も世界選手権の優勝を目指して毎年戦い続けてきた。だが一時的な休養を挟んでRNGに再加入したあと、2016年、2017年、2018年、2019年の世界選手権予選を突破したが、いずれもファイナルに到達することはできなかった。

 RNGで最後に残した最高成績は2017年の3位/4位フィニッシュ。準決勝シリーズではSKテレコムT1との拮抗した接戦に2-3で敗れ去った。

 だがキャリアを終える前に、Uziは少なくとも国際大会で一度優勝を飾ることができた。『ミッドシーズン・インヴィテーショナル2018』での優勝だ。

 7勝3敗でグループを首位で終えたあと、RNGはこの年のトロフィー獲得の有力候補だと予想された。準決勝ではFnaticを3-0でスイープ。決勝ではLCK優勝候補のキングゾーン・ドラゴンX(KZ)を3-1で下して歓喜の瞬間を迎えた。

 Riotによる大会後のMSIビデオによって、Uziがいかに驚異的なプレイヤーであるかが明らかにされた。相手のクールダウンのタイミングを正確に把握し続け、それを最大限に活用していたのだ。

 「相手はまだQSSがない。10秒後だ」。マイクチェック動画の中で、Uziはチームに向けてそう話していた。これによりリー・“Xiaohu”・ユアンハオのマルザハールがフラッシュし、キム・“PraY”・ジョンインのザヤにウルトを仕掛ける。

 QSSがクールダウン中のPraYは全く動くことができず、CCからデスへと繋がった。長いデスタイマーを強いられたKZのキャリー3人を倒し、この最後のチーム戦勝利がRNGにMSIタイトルをもたらした。Uziにとっては初タイトルだった。

 8年間のキャリアを通して、Uziは他にも数多くの国内LPLタイトルを手に入れてきた。「リーグ・オブ・レジェンズ史上2番目の選手」としてFakerと比較されることも多いが、ADキャリーの並外れた運用法や、チームを勝利に導く圧倒的能力、そして長年にわたって努力を続ける力は他に並ぶ者がなかった。

 ヴェイン使いの代名詞として、Uziはこのスキルキャップの高いチャンピオンの名手として知られ、カイ=サ、エズリアル、コグ=マウも操った。

 周囲からの注目の中で成長してきた彼は、10代の頃には素行や態度の悪さで知られたこともあった。

 数多くの勝利と、それ以上の敗北の失意の中で成長を遂げ、『リーグ・オブ・レジェンズ』の歴史上でも最も尊敬を集める最高のプレイヤーの一人となった。