ソニーはプレイステーション5(PS5)の初期生産の縮小を計画している。

 次世代ゲーム機となるPS5が今年の年末商戦に向けて発売される予定であることは変わらないが、世界的に限定された台数しか提供されないことになるかもしれない。

 年度末の2021年3月までに生産されるPS5の台数は500~600万台にとどまる見通し。比較対象となるプレイステーション4(PS4)は、ブルームバーグ・ニュースによれば2013年11月に発売されたあと同程度の期間中に750万台が販売されていた。

 初期投入台数の規模縮小の理由は、価格設定の問題に加え、PS5に欠かせないパーツの供給が限られていることにある。

 PS5の「野心的」なスペックは小売価格を大きく引き上げ、早期購入を希望するユーザーに二の足を踏ませることになると予想されている。ゲーム開発者の間では499ドルから549ドルの間という価格が見込まれているものの、DRAMやNAND型フラッシュメモリなどのパーツ不足により、ソニーはさらなる定価引き上げを余儀なくされる可能性があるかもしれない。

 ソニーは2006年にプレイステーション3(PS3)のハイエンドモデルを599ドルで発売した際にも高額すぎるとして強い反発を受けた。これに対してPS4は399ドルの定価でリリースされていた。

 一方でソニーは、現在のPS4ユーザーや今後のPS4購入予定者向けの対応も行うことが見込まれるとブルームバーグは伝えている。

 PlayStation PlusやPlayStation Nowなどの登録プログラムをより利用しやすくする対応が取られる見通し。PS5の世界的な供給量が増加するまで、ユーザーにプレステのネットワークサービス利用を継続させることが目的だ。

 新型コロナウイルスの危機的状況の中で、少なくとも現時点ではプレステ5の生産計画が滞っていないというのは朗報だ。発売に向けたソニーのプロモーション活動のみが現状では影響を受けている。